夜行  森見登美彦著.jpg十年前、京都で学生時代を過ごした仲間6人が、鞍馬の火祭りを見に行く。そこで仲間の1人、長谷川さんが忽然と姿を消す。そして5人は10年ぶりに鞍馬の火祭りに集まり、1人ずつ旅先で出会った不思議な体験を語る。いずれも岸田道夫という画家の「夜行」という絵画に関係したものであった。舞台は「尾道」「奥飛騨」「津軽」「天竜峡」「京都・鞍馬」――。何が真実で、何が夢想なのか。不思議な異界が語られ、夜の闇の世界に引き込まれる。

私の学生時代の京都、とくに故郷の飯田線やその奥・天竜峡。きわめてよくわかる。人のほとんどいない暗い闇とポッと灯る光。たしかに人の一生、喧噪のなかの今の自分、人の幸せ等々を考えさせられる時空だった。長い夜、暗い静寂な世界、日常を脱した異次元の世界に引き込まれ、時空を超えた瞑想、夢、妄想の世界に入ることができる。無意識のなかに沈んだ末那識、阿羅耶識への旅を開示してくれている。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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