人工知能と経済の未来  井上智洋著.jpg副題は「2030年雇用大崩壊」。今、最も重要な問題の一つは、IoT、AI、ロボット、第四次産業革命等々が、どの程度のマグニチュードで世界を激変させるか、ということだ。そのスピードの速さを思えば、政治は逸早く備えなければならないと思う。

第三次産業革命(パソコン、インターネット)を1995年とすれば、第四次産業革命(汎用AI・全脳アーキテクチャ)は2030年頃から助走が開始されて2045年には本格化、2100年頃に全脳エミュレーションの時代になるという。そして2030年頃を境にして、それ以前を「特化型AIの時代」、それ以降を「汎用AIの時代」と位置づける。汎用AIは、人間と同様に多くの知的課題をこなすし、経済構造を大きく変える。

「2045年までにAIが人間の知性を超える、には懐疑的だ。機械任せにすることができない程度にしかAIは発達しないだろう」「全脳エミュレーションの方は、国際条約で禁止して、全脳アーキテクチャ方式でのみAIを開発するようにした方がよい」「第四次産業革命に成功した国が、次代のヘゲモニー国家になる」「汎用AIが2030年頃から実現すると、人間の労働需要は減少していく」「全人口の一割しか働かない未来が来る(創造的、ホスピタリティの高い人間が働く)」「労働者の多くが雇用されず、汎用AI・ロボットが生産活動に全面的に導入される純粋機械化経済に移行する」「急速にあらゆる雇用が失われ、資本家の取り分は大きくなり、労働者の取り分は限りなく小さくなる」「そこで大事になるのはBI(ベーシックインカム)だ」・・・・・・。

具体的に減少していく仕事の例や、未来の生活、そして多くの学者等の論述を引きつつ、わかり易く解説・提言をしている。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

太田あきひろホームページへ

カテゴリ一覧

最新記事一覧

月別アーカイブ

上へ