奨学金が徐々に拡充し、給付型奨学金もスタートした。日本学生支援機構(JASSO)は、2016年度は132万人に対して1兆944億円が貸し出し、大学生の2.6人に1人(38.5%)が奨学金を利用している。しかし、一方で「奨学金でローン地獄に突き落とされる若者たち」の現実の問題もある。現状と問題点を世界の高等教育も見つつ、現場から提起している。
「奨学金返済の実態(非正規からブラック企業へ)(親族の借金が突然降りかかる)」「過酷な取り立ての実態」「"延滞金地獄"のパターン分析」「世界に逆行する日本の教育費政策」等々を解説する。仕組み自体をしっかり理解することから始まり、雇用・労働環境の大変化、「返せなくなったときの対処法」など、詳述する。
最も重要なのは、卒業後にブラック企業などではなく、返済できる雇用を得ること。若者の雇用問題こそ、きわめて重要だ。