21世紀の半ば、全国の原発が占拠・破壊され、国土の2割に迫る面積が立入制限区域となっていた日本。その人間の立ち入れない立入制限区域をパトロールするロボット「ウルトラエイト」たち。ある日、そこに国税庁から派遣されたという若く元気な女性・財護徳子がやってきた。この地域には、かつて人間であった者がなぜか死後蘇生・復活して「マルピー」という存在があり、その実態調査をするというのだ。
現在から100年以上も後の日本。国土はどうなっているか。原発の行方。遺伝子破壊と動植物への影響。人工知能AIやロボットの進化するなかでの人型電子頭脳と人間との共生。人間を守るようにプログラミングされたロボットと人間の「心」は通い合うのか。現実味を帯び始めたそうした社会を体感させてくれる意欲作。