4584125384.jpgあまりにも凄絶な人生。柳美里さんの過酷なる世界に我が身を浸み込ませるのは不可能に近い。人生、生命力を考える。

在日韓国人として生まれ、小学校ではいじめに遭い、父はパチンコ屋の釘師で博打狂、殴られ続ける母は子供を受験で縛る。自殺未遂を繰り返し、高校1年で退学処分。東由多加率いる「東京キッドブラザーズ」に入団、共に住んだが彼は闘病の末に死亡することになる。付き添いもすさまじい。86年、演劇ユニット「青春五月党」を結成、最初に書いた小説が訴えられて出版できない。芥川賞受賞(「家族シネマ」)の時も裁判中。「わたしは過去を否定しない。その過去があって、今のわたしがある」――今は鎌倉から南相馬市へ移住、原発被害の街と人の中に入る。

宿業と向きあうが、自由奔放。宿業のなかで「深い人生でなくても幸せが欲しい」と思うのが凡夫の常だが、「人生にはやらなくていいことがある」といわれても、柳さんのように次々襲いくる難題に遭遇して格闘せざるを得ないのがまた人生というものか。いずれにしても凄まじい。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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