シャーデンフロイデ  中野信子著.jpg「他人を引きずり下ろす快感」が副題。「シャーデンフロイデとは、誰かが失敗した時に、思わず湧き起こってしまう喜びの感情」だ。この感情は"愛情ホルモン""幸せホルモン"などと俗に呼ばれる「オキシトシン」という物質と深い関わりがあり、これらの効果と同時に"妬み"感情も強めてしまう働きをもつことがわかってきた。そしてオキシトシンは、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質に影響を与える。

オキシトシンの働きは「安らぎと癒し」「愛と絆」。「愛着を形成する」ものであるだけに、逆に人と人とのつながりが切れてしまいそうになるとき、オキシトシンはそれを阻止しようとする行動を促進する。「私から離れないで」「私たちの共同体を壊さないで」「絆を断ち切ろうとすることは、許さない」――。

こうした脳の働きから、「加速する『不謹慎』」「標的を"発見"するのは妬み感情」「相手の不正を許さないのは協調性の高い人」「集団を支配する『倫理』」「承認欲求ジャンキー」「"自分こそが正しい"正義バブルの時代」「『愛と正義』のために殺し合うヒト」「宗教戦争はなぜ起きるか」「愛が抱える矛盾」などを詳述する。

「よかれと思って」という気持ちとその帰結。「東に向かって全力疾走しているつもりが、西に向かって暴走していた」・・・・・・。愛の情動の裏にある闇を、脳内物質「オキシトシン」から剔抉する。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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