リズムの哲学ノート.jpg宇宙のリズム、生命のリズム、月の盈ち虧け、海の波、心拍・呼吸、舞踊のリズム、世阿彌の「序破急」、「鹿おどし」の構造――。「無意識がもたらす正確さ、断絶が増幅する流動、死を含むことで生きる生命、いずれを見ても逆説的というほかないが、この逆説性こそがリズムの本質である」という。宇宙論、生命論の本質に迫るまさに「リズムの哲学ノート」に身震いする思いだ。常に、仏法の「法概念」「諸法実相 如実知見」を考えながら読んだが、難解のなかにも開けるものがあり、嬉しい思いがした。言語絶する世界に踏み込む凄い著作だ。

「認識と行動の新しい関係を示唆する考察はすでに哲学界にも少なからず現れている。典型的なのがポランニーの暗黙知論であり、それに先立つベルクソンの自由論であった。・・・・・・暗黙知の主体は理性でも意識でもなく、訓練され習慣づけられ、それ自体『自主的秩序』と化した身体であった。・・・・・・またベルクソンの自由は意志の選択とは正反対に、危機に臨んで純粋持続が自生的に発動する現象であった。・・・・・・そして本稿では長い考察を一貫して、認識の主体を身体そのものと見なすとともに、認識の主体と客体の二項対立も乗り越えようと努めてきた・・・・・・」「リズムの特性の第一はそれがもっぱら顕現する現象であり、ひたすら感知することはできても、それを造りだすことはできないという事実である。そしてその第二の特色はそれを感じることが喜びであり、その認識が解放感に直結しているという不思議である。たしかにすべて知ることは喜びを伴うが、リズムを知ることの歓喜は次元を異にしている」・・・・・。

リズムを体感しながら生きる。みずからが「運ばれていること」を深く感知する。ベルクソン、ポランニーを経て、最後の「人間至上主義を超えて」に至って、満たされた感がする。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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