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2月27日、長野県飯田市で行われた「政経懇談会」に出席・講演をしました。これには、南信方面の首長をはじめ、公明党の川上のぶひこ・長野県議選予定候補(飯田市・下伊那郡)のほか、各地から有力者の方々が出席しました。

挨拶のなかで私は「人口減少・少子高齢社会を迎えるなか日本は、2050年を見据えて、コンパクト+ネットワークの新しい街づくりをいかに構築していくかが問われている」「飯田市を中心とする南信地域は、三遠南信道路、そしてリニア中央新幹線・長野県駅を中心軸に、地域が一体となって知恵を絞って、また観光などの資源をブラシュアップして、新しい街づくりのモデルになっていくことが期待されている」などと述べました。

政経懇談会の後、飯田市周辺で渋滞のボトルネックになっている道路などを視察、牧野光朗・飯田市長も加わりました。学生時代からこの地域には縁と思い出があり、国交大臣時代にも視察に訪れました。日本の新しい中心軸として新たな拠点となることが期待されています。

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日本人の勝算.jpg人口減少と少子高齢化のダブルパンチの日本。パラダイムシフトが緊急、不可欠だ。先進国最低水準の日本人の所得を上げること、生産性向上が必須条件となる。「日本は人材の評価は世界第4位なのに、生産性は第28位」「優秀な人材が山ほどいるのに、生産性・所得水準が低く、ポテンシャルを発揮できていない」と指摘し、とくに最低賃金の引き上げを強く訴える。「上手に最低賃金を引き上げる政策が、経済成長、女性活躍、格差の是正、福祉問題、財政問題など、ありとあらゆる分野における問題解決に大きく貢献する」といい、日本にはそれができる、勝算があるという。

「人口減少と高齢化によって日本経済のデフレ圧力はこれから本格化する。必要なのは"賃上げ"によるインフレ誘導策だ」「福祉制度を維持するためにも、生産性向上を継続的に実現する経済モデルに切り替えよ。人口増加経済モデルから人口減少経済モデルである『高付加価値・高所得』資本主義へ転換せよ」「デフレ圧力緩和のためには供給過剰を調整するための輸出振興を」「企業の平均規模を大きくすることが生産性を高めるためには重要。"企業の統合促進"が不可欠だ」「最低賃金を引き上げて生産性を高めよ。"正当な評価"は人を動かす」「賃上げショックで生産性を高めよ。できなければ国が破綻する」「人材育成トレーニングを"強制"せよ。教育の基本的対象は大人だという新たなパラダイムを」――。各章でデータ・論文を用いて主張している。シンプルかつ明解で鋭い。


ニムロッド.jpg登場するのはわずか3人。ビットコインの採掘(マイニング)を命ぜられる一人課長の中本哲史、その恋人で中絶と離婚のトラウマを抱えながら頻繁に海外に出かける外資系証券会社勤務の田久保紀子、「ニムロッド」と名乗り小説家の夢に挫折した同僚・荷室仁。

人はかつても今も失敗、挫折やトラウマを抱え込みながら生きる。しかし、遭遇する社会は、AI・IT・ロボット、仮想通貨・ビットコインの世界が加速度的に押し寄せる。一方、「創世記」におけるニムロッドは「反逆する者」の意味をもちバベルの塔建造の企画発案者と見なされる。バベルの塔は人間の欲望の果てしなさ、文明の危うさを示すが、これからの社会は寿命すらも消し去られ地球の限界を突破するまでの人口増、情報技術の発展が生み出す並列と情報的重力の社会となりかねない。計算能力を飛躍的に向上させた人類はこの世の理すべてを知り尽くし、駄目な人間、失敗する人間を振り捨て、個が消え、倫理を超え、巨大な空虚に人間を放り出す。

「これ以上進んでいいのかどうか、首を傾げながらやっているんじゃないかな。何と言うか、全体的な不快感だけが漂っている」「君の願いももう完璧に叶ったのではないか?それでも君はまだ、人間でい続けることができるのかな?」「僕のビットコインは元々根拠が無に等しいからこそ・・・・・・膨れ上がった。・・・・・・子供の頃から思い描いていた高い塔を手にすることができた。だが、なぜだろう? その塔を手に入れてから、僕の右目からは涙が止まらなくなったのだ」――。バベルの塔、仮想通貨・ビットコインから文明の空虚と不快感・違和感を問いかけている。


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23日、東京板橋で行われたアジアフェンシングジュニア大会(主催:板橋区ワールドアスリート育成支援会;高田修会長)に参加し挨拶しました。

これは2018年から、フェンシングのユース年代の育成のためにアジアでスタートした強化大会で、今大会には、世界10ヶ国から代表選手が参加。未来のオリンピック選手達が技を競い合いました。

またこの日、都内で行われた「日本ローカルネットワーク連合会の創立30周年記念式典」や、地元での「新年の懇親会」などに参加し、多くの方々と懇談しました。


考えるとはどういうことか.jpg「0歳から100歳までの哲学入門」が副題。哲学とは人生、世界を自分で考えることだ。生老病死――命の終わり、人生のはかなさ、四苦八苦を考えることだが、この情報社会、教育が浸透し、仕事を余儀なくされている喧噪の社会ではなかなか難しい。自由に考えているかといえば、世の常識や軌範、人間関係、社会の通念や仕組み、場の空気を読むことを求められているゆえに、思考も発言も無意識的に自己規制している。「考えること」とは「自由になること」、考えることによって自由になる。自己を縛りつける制約から自らを解き放つことだ、という。そして「対話が哲学的になった瞬間」には「体が軽くなってふっと浮く感覚。一気に、あるいはゆったりと広がるような感覚。目の前が開け、明るくなる感覚」を体全体で感ずる。自由と責任をいっしょに取り戻す。自分自身を生きることなのだという。

その哲学的対話の生きた場をどうつくるのか。哲学とは「問い、考え、悟り、聞くこと」だが、場をどうつくるか。座談会、修行の集いの場、対話と場づくりの重要性を考えさせられた。その意義とともに中身をもっと詰めなければと思う。「哲学対話」は最近とくに試みられているようだ。本書では、その「考える方法」が具体的に示される。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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