AI時代が加速する。AIは「意味」がわかる訳ではなく、ただデータの蓄積、計算機にすぎない。だが一方では、どうも人間がいつの間にか「意味」がわからず「読解力」のないものになり果てる危険に直面している。とくに「生徒たち、若者たちの読解力が壊滅的だ」という。
「読解力、すなわち物事を読み取り、理解する力。これこそが人間社会で生き抜くために不可欠な力だと断言する」「人間は、日々、読み取って生きている。・・・・・・読解のできない人間は文章を読み取れないだけでなく、状況も読み取れない。人の心、人間関係、社会状況、自然現象等も理解できない。読み取れない」「クレーマーが増えている。読み取りができないために、自分が正しいと信じ、周囲の常識的な読み取りが理解できずに、孤独な攻撃をしているのではないか。しかも読解力のない人も発信する手段を得たのが今だ。クレーマーと読解力不足は通底する」という。
そして、「語彙力を鍛える(言い換え力を鍛える、言葉を自分のものにする)」「文章力を鍛える(書けない人は読むこともできない、書くことは思考を明確にすること)」「読解力を鍛える」「読解力を使いこなす(読後感を発信する、日常のコミュニケーションにいかす)」などを示し、読解力を鍛える練習問題を具体的に提示している。「読書量の決定的な不足」「ネット記事、短文SNSの普及」の時代に反転攻勢をかけないと、人間社会はうるおいを失ってギシギシと崩れていく。幸せになれない。