無題.pngスウェーデンの医師、グローバルヘルスの教授、教育者として著名なハンス・ロスリングとその息子オーラとその妻アンナ。世界で医療等の仕事をし、講演も多数。「この数十年間、わたしは何千もの人々に、貧困、人口、教育、エネルギーなど世界にまつわる数多くの質問をしてきた。医学生、大学教授、科学者、企業の役員、ジャーナリスト、政治家――ほとんどみんな間違えた。みんなが同じ勘違いをしている」「あなたは、次のような先入観を持っていないだろうか。世界では戦争、暴力、自然災害、人災、腐敗が絶えず、どんどん物騒になっている。金持ちはより一層金持ちになり、貧乏人はより一層貧乏になり、貧困は増え続ける一方だ。・・・・・・それは正しくない。ドラマチックすぎる世界の見方だ。実際、世界の大部分の人は中間所得層に属している」・・・・・・。事実に基づいて世界を見ない。とんでもない勘違い、いろんなバイアスで、それも知識人といわれる人までが見てしまう。事実に基づくファクトフルネスで見よう、という。副題は「10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣」だ。

まずは「分断本能」――世界は分断されているという思い込みだ。金持ちグループと貧乏グループの"2つに分断"はとんでもない勘違い。途上国と先進国という言葉は正しくない。所得レベルに応じて4つのグループ。レベル1が10億人、レベル2が30億人、レベル3が20億人、レベル4が10億人で、大半の人は中間所得層で、時代とともに移行していく。だから①分断本能を抑えるには――大半の人がどこにいるかを探そう②ネガティブ本能を抑えるには――悪いニュースの方が広まりやすい③直線本能(人口増加も)――直線もいつかは曲がることを知ろう④恐怖本能(災害や事故を極端に恐れる。飛行機も2016年は4000万機が安全、死亡事故は10機)――リスクを計算しよう、恐怖と危険は違う⑤過大視本能――ひとつの数字がとても重要と勘違いしないで、数字を比較しよう⑥パターン化本能――ひとつの例が全てに当てはまるのではない⑦宿命本能――人や国や宗教や文化の行方は、持って生まれた宿命で決まるものではなく、変化がゆっくりと少しずつ起きていることに気付こう⑧単純化本能――ひとつの知識がすべてに応用できないことを覚えておこう⑨犯人探し本能――誰かを責めても問題は解決しないと肝に銘じよう⑩焦り本能――今すぐ手を打たないと大変なことになる、今やらないと次はないと焦るが、そんなことはめったにない。占い師に気をつけ、過激な対策に注意しよう。ひと息ついて、小さな一歩を重ねよう――。

この10の本能は、本能として確かにある。「情報を疑う力や自分の頭で考える力」「知識不足で他人をステレオタイプにはめてしまう自分」「悪いニュースばかり流すジャーナリスト、活動家、政治家」とあるが、自分自身を冷静に振り返ることの大切さを具体例に沿って示している。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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