ついに奄美・沖縄が世界自然遺産へ――。5月10日、ユネスコの諮問機関・国際自然保護連合(IUCN)が、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」を世界自然遺産への登録を勧告したことを発表しました。「希少な国有種に代表される生物多様性を保全する上で国際的にも重要な地域」と認めたもので、7月に開かれる世界遺産委員会で正式決定される見通しです。私にとってもうしい朗報です。現地からも喜びの声が寄せられました。
奄美を訪れたのは、この10年では2013年11月と2017年8月。奄美の観光資源は魅力的。沖縄と一体となって、世界自然遺産登録を目指して進んでいる最中でした。2013年は、アマミノクロウサギなどが生息する金作原(きんさくばる)原生林を視察、高さ10 mにもなるヒカゲヘゴが茂る森は美しく幻想的で、木々のすきまから見上げる青空も印象的でした(写真)。この時は国交大臣として「奄美群島日本復帰60周年記念式典」に出席、群島内12市町村の首長、議長などとも懇談、観光振興や産業・地域づくりの強い要望を受けました。ただちに「奄美振興法」の延長と交付金の支援拡充を行い、航路・航空路運賃の低減や台風対策としての農業・地域インフラが整備されるようになり、大変喜んでいただきました。観光という点では、自然を守り抜こうとする地元の行政やNPO、ボランティアの方々の努力にも感動しました。2017年の奄美訪問では、LCCの創便、観光客の飛躍的増加など、感謝の声を聞き、世界自然遺産への強い要望をうかがうとともに、登録候補地の湯湾岳展望台を視察しました。
現地が待ち望んだ奄美・沖縄の世界自然遺産登録。奄美は人間も産業も自然に強く結び付いていると感じます。観光振興、産業・地域支援と防災・減災、そして自然を守り抜く――それぞれが高い意識で進むスタートになることを期待しています。