老いる意味.jpg森村誠一さん、88歳。「人間老いれば病気もするし、苦悩もする」――老人性うつ病と3年間闘ったという。定年退職のあと70歳、80歳となったときにようやくシニア世代となるが、「その時点で立っているのは、終着駅ではなく『第二の始発駅』である。そこまでに蓄えてきた経験や知識、交友関係や経済力、あるいは病歴や孤独など、良くも悪くもいろいろなものをかかえて新たな旅に出かけることになる」「旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る――俳聖芭蕉は死の4日前、病床でこの句を詠んだ。・・・・・・病が重く、命の火が尽きようとしていても、芭蕉は夢を追い続けていたわけである。私もまた、そのようにありたい」と語る。老人性うつ病との苦闘など老いの中で葛藤する森村さんの心中が赤裸々に吐露され、一日一日、どのように考え、誠実・真剣に生き、格闘してきたかが語られる。

「私の老人性うつ病・認知症との闘い(忘れないように新聞折込の裏でも言葉や単語を書き続けた)(言葉を取り戻せている。食欲も旺盛だ。まだまだ頑張っているじゃないか)」「老人は余生に寄り添う(人生は"仕込みの時代""現役時代""第三期の老後・余生"に分けられる)(老後・余生は"ご褒美"のようなもの。できる限り、余生に寄り添っていきたい)(人生の第三期ともなれば、人の言いなりになっているのではなく、自分はどうしたらいいのかに忠実に生きればいい)」「老人は死に寄り添う(男は妻に依存している。なんでも自分でやれるようにしておき、友人たちとの交流を絶やさない)(80代になれば身辺整理)(歳を重ねると仲間たちが去っていく)」「老人は健康に寄り添う(散歩コースに医院を入れよ)(予定がなくなったときのスケジュール表、スケジュールに何か入れる)(楽しみながらボケ防止)(人との交流は趣味の仲間、若者や異性など幅を広げたほうがいい)」「老人は、明日に向かって夢を見る(第二のスタートは人生をリセットするチャンス)(出会いを大切に――人、文化、場所との出会い)(男はいくつになっても"武装"していたい。キリっと格好良く、緊張感のあるお洒落を)(純粋に楽しむ読書を)(誰かの役に立つことは心の筋肉を動かす)(積極的に社会参加を)」・・・・・・。

「身体が老いても心は老いてしまうわけではない。自然体で病にも悩みにも寄り添う。人間はいくつになっても新しいことを始められる。少しだけの勇気があれば、夢は必ず叶う」と、自分自身の実際に行ってきたことを踏まえて淡々と語る。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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