beityuu.jpg「アメリカの戦略転換と分断される世界」が副題。米中国交回復から50年。長らく中国に関与、支援してきたアメリカだが、トランプ、バイデン政権のなか、中国警戒論が勢いを増し、その角逐は激しさを増している。今後の世界は米中対立の構図のなかで展開し、日本も難しい舵取りを迫られる。本書は50年の米中関係、その変化を、資料を丹念に調べあげ、学術的知見に基づいてその構造変化をきわめて誠実に描き出している。

アメリカの対中姿勢には「3つの期待」が貫かれていた。中国が「政治改革」を進め、「市場化改革」を行い、既存の国際秩序を受け入れて「国際社会への貢献」を増していくということだ。関与・支援してきたのはまさにその「3つの期待」があったからだという。しかし、その「信頼の喪失」と「パワーの接近」によって警戒感が広がり、対立に向かう。天安門事件、冷戦の終結、ソ連崩壊、台湾海峡危機・・・・・・。オバマ政権のなか中国への違和感・警戒が高まっていく。中国における社会統制の強化、軍拡への懸念、一帯一路の具現化、そして人権問題。「中国にかけられていた『3つの期待』は損なわれていった」という。アメリカで関与政策が否定され、「貿易戦争と対中強硬論の融合」「コロナ後に加速する強硬姿勢」「強化された米台関係」と、トランプ政権下の動きを指摘する。そしてアメリカの政権の背景にある様々な国内ファクターを示す。さらに「米中対立を見つめる世界」にふれ、「今後の展望」を論述。「日本外交には、いわば連立方程式の思考が必要だ。それはパワー()と価値観の2つを共に成り立たせたところに外交を構想するということだ」という。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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