yami.jpg学校、職場、団地などを題材としたホラーミステリー。人間の距離間がわからず、過剰に付きまとってくる人々。それが悲劇を生む。親切すぎたり、劣等感の裏返しで優越感に浸りたい、噂の世界、見栄の世界が集団を形成して人を追い詰めていく。社会により強くなっている現象を、辻村さんが極めて簡明にストーリーとした五編。ヤミ・ハラとは闇ハラスメント。「精神・心が闇の状態にあることから生ずる、自分の事情や思いなどを一方的に相手に押し付け、不快にさせる言動・行為」を言う。闇ハラで人を追い詰めていくザワザワとした怖さ。

「転校生」――。クラスに馴染めない私立高校の転校生・白石要は、親切に接する委員長・原野澪に「今日、家に行っていい?」と突然言ったり、家の周りに出没したりする。恐怖のあまり澪は、憧れの先輩・神原一太に助けを求める。ところがその神原の方が、澪に次々に自分の都合や善意・思いを押し付け、支配し、大量のLINEを送ってくる。背筋が凍る。

「隣人」――。団地に引っ越してきたフリーアナウンサーをしていた三木島梨津は、息子の学校のボランティアの活動班「読み聞かせ委員会」に入る。そこで女王のように振る舞う沢渡博美、それに追随する軽いことおびただしいメンバーと接する。容姿もセンスも完璧な博美は、どこかおかしい。飛び降り自殺、交通事故、人気の団地であるはずが同時多発的な引っ越しと続いて・・・・・・。博美が児童会長の息子に突き落とされてしまう。

「同僚」――。課長の佐藤から何時間も説教されている年上のジンさん。パワハラだが、それだけではない。ジンさんはどうも話を聞いてくれているようなのだ。パワハラ課長と不思議な年上の部下の話。ジンさんは神原という名だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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