sizukanaki.jpg藤沢周平晩年の3つの短編。場所はお馴染みの海坂藩。

「岡安家の犬」――。岡安家の当主・甚之丞。親友の野地金之助から犬鍋を食おうと誘われる。ところがなんと自分の家で飼っていたアカという犬が捕まって食べさせられる。怒りのあまり決闘となり、妹の縁組みもなくなろうとする。隠居の祖父・十左衛門が動き出す。

「静かな木」――。隠居の布施孫左衛門が川釣りから帰ると、大変なことが起きていた。息子の邦之助が果たし合いをするという。相手は鳥飼郡兵衛の息子で、許しがたい侮りを受けたからだという。孫左衛門は立ち上がる決心をする。隠居となった成熟した男の知恵と決然とした胆力が静かに描かれる。

「偉丈夫」――。大変な役割を仰せつかった片桐権兵衛。「6尺近い巨躯、鼻はしっかりとあぐらをかき、口は常にしっかりと結ばれている。そして寡黙」のこの男。その体躯に蚤の心臓を備えた小心者だけに、困難な仕事をやり遂げる。

いずれも静謐なる藤沢周平の世界。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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