miyagi.jpg宮城谷昌光さんが、平岩外四、丹羽宇一郎・・・・・・秋山駿など11人と行った対談集。いずれもその世界で、「究めた人」との対談。宮城谷さんも凄いが、全ての人が凄い。「縦横無尽の人間力」からは「名言集」が浮かぶが全く違う。その道一筋、「歩み抜いた人」「究めた人」との対談は、深く重厚だ。

「人間の真形」と題した秋山駿との対談では、小林秀雄を語る。ランボオ、ベルグソン、本居宣長、伊藤仁斎、中原中也ら縦横に触れるが、「何か、ある、眼には見えないものを見る。精神の最高の塔というか生の最深部というか、そんなものを見る。むろん、よく解らない不可解の上に投げ出される。一瞬イメージで見たんだけど解らないものを一生追求する、それが、文学の理想だったんだけどね。・・・・・・小林を読むと、ああ、ほんとうによく解らないものを追っかけてるなと思う」「われわれは歩行の果てへと往くのか、元の場所へと帰るのか、解らない。さかのぼるんだ、小林は」「ええ、それはよく解ります。『本居宣長』のなかで、本義ではなく転義という言い方をしますが、結局そこなんでしょうね。本義のない転義はない」「小説は『書く』ものでなく『ある』ものなんです」との対話がある。

「歴史を楽しむ」との章では「平勢隆郎―春秋戦国について」「井波律子―孟嘗君と春秋戦国時代」「縄田一男―范雎への思い」「吉川晃司―三国志のおもしろさ」の4人の対談がある。この時代を粘り強くこつこつと探り続けている人生そのものに感嘆する。白川静博士の長女・津崎史さんとの「甲骨文字を辿リ、古代人と対話する」にも感動した。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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