この4月に角川春樹事務所から出た詩集。同じ北海道の桜木紫乃が「メロディーのある文学作品は、簡単に胸奥の壁を突破してしまう」「中島みゆきの詩を読むと『自分のため』という動機しか持ち合わせずに伸びてゆく一本の木が見える。囲いも縛りも剪定もなく、原野にそびえ枝を伸ばしてゆく一本の木だ」と書いている。生命力を感じ、人生を感じ、大地や空や海や風を感じる。北海道の風雪を越えて進むむき出しの力だ。おおらかな庶民の強さだ。
「冬は必ず春となる」「海よりも広いものがある。それは大空である。大空よりも広いものがある。それは人間の心である」・・・・・・。「魂から湧き出る歌詞は、人生の詩そのもの」――元気をもらう歌詞とメロディー。聴きながら読んだ。