AIhoutei.jpgAI裁判官が導入された未来の日本。ますます複雑化していく訴訟社会、最高裁判所の鳴り物入りで導入された機械の裁判官だ。誤解なく、偏見なく、正義を正確に執行する。裁判を省コスト化、高速化し、広く国民に法の恩恵を行き渡らせるという触れ込みで生まれた新たなる法の番人。正義を司るのはAIなのか人間なのか。人間は自ら発達させたテクノロジーに振り回され、支配されるのか。きわめて重要なテーマを、軽やかにコミカルにミステリー小説として描く。気鋭の作品。

主人公はAI裁判官を騙し、AIの穴をつき勝訴を手にするハッカー弁護士と称される機島雄弁。

米国や英国はコモン・ローを第一とする判例法主義の司法制度、日本は制定法主義。裁判官の根本には、人生で培った道徳があり、そこに法を重ねあわせて思考するが、AIは法と判例に学ぶ。AI裁判官の本質は、極めて強固な判例法主義となるゆえに、機島はその穴をつこうとし、裁判内部の情報を獲得するしたたかさを持つ。しかし、今回遭遇した事件は、はるかに複雑な展開を見せ、機島は追い込まれる。そこには、AI裁判官の設計時に埋め込まれた秘密ーー検察官が証拠や証人を自在に否認可能とするバックドア、マスターキーでAI裁判官を縛り上げるという策謀が行われていたというものだった。

近未来社会の問題を赤裸々に描いている。面白い。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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