natuno.jpg「夏の体温」「魅惑の極悪人ファイル」と、きわめて短い「花曇りの向こう」の3編。

「夏の体温」――。夏休み、小学3年生の高倉瑛介は、血小板数値の経過観察で1か月以上入院し、退屈な日々を送っている。そこに低身長の検査で同学年の田波壮太が入院してくる。壮太はいきなり「俺、田波壮太。三年。チビだけど、九歳」と陽気に挨拶。たった三日間だが、次々と遊びを見つけ、楽しい楽しい交流の時間を過ごす。壮太は退院。別れがなんとも可愛く辛く、二人の姿を思い浮かべてしまう。「お母さんは何もわかっていない。あれ以上言葉を発したら、泣きそうだったからだ」・・・・・・。紙飛行機を残し、そして手紙が来る。ひからびたバッタの死骸が入っていた。病を抱えながら健気に生きる二人の姿と少年のエネルギーが心の奥底に迫る。

 「魅惑の極悪人ファイル」――。学生作家の大原早智。人間の闇を書こうとして、「ストブラ」と呼ばれる倉橋ゆずるという大学生に取材に行く。「腹黒」と言われる倉橋は、極悪人どころかとてもいい奴。そのキャラクターに惹かれていく変化の様子が、なんともほほえましく面白い。 

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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