近代の呪い.png幕末以前の民衆――それは「自分たちの生活領域こそ信ずべき実体であり、その上に聳え立つ上部構造は自分たちの実質的な幸福とは何の関係もないとする、下積みの民衆の信念」であり、「天下国家を論ずる上の方の人たちの、生活現場に関する無知を笑う」という民衆世界であった。そして、そうした民衆世界の自立性を撃滅し、国民国家を創立する、そして民衆を国民に改造する――それが近代である。さらにそれとセットになるのは「知識人の出現(近代知識人とは国民国家の創造をその任務とする)」だという。そして本書では「反国家主義の不可能性」と「国民国家における"人間の条件"」に踏み込んで語っている。

一方、「西洋化としての近代とその魅力」や「フランス革命再考」を示しながら、生活の豊かさや快適さとともに近代へのアンビヴァレントな思いは常にあり、それは「民族国家の拘束力がますます強化される」という呪いと「世界の人工化(自然との平常の交感を失う)」の呪いが痛切な問題として残ることを指摘する。

「近代とは何か」は「民衆とは何か」「グローバリズムとリージョナリズムとは何か」「国民国家とは何か」「進歩の帰結として何を失い、何に呪縛されることになったのか」等々の根本的問題を問いかける。深い。


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12月18日、キャロライン・ケネディ駐日米国大使と会談しました。会談では日米航空交渉、リニア、都市防災、観光、自動車のほか、大使の父であるジョン・F・ケネディ元大統領にまで話が及びました。当初の時間を大幅に超えて行われ、大変充実したものとなりました。

11月15日に着任以来、大使は精力的に公務をこなしています。東日本大震災の被災地も視察。復興に取組む被災地の方々に大変感銘を受けたようです。

「できるだけ多くのことを学び、新しい友人をつくることを楽しみにしている」「両国民の交流や相互理解の促進により同盟を強固なものにしたい」――大使の言葉から、日本での生活への期待とともに日米関係を更に発展させたいとの意欲を強く感じました。

日米同盟は日本外交の基軸。日米間には様々な課題もありますが、大使とも連携をとり、対応していきたいと思います。頑張ります。

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ティンホイッスル表紙.JPG人生はままならぬものだ。ましてや厳しく激しい魔性の芸能界ではなおのことだ。さらに経験のない若い女性がそこで生き抜き続けることは、仏典に説く「一眼の亀が浮木に遭う」が如き至難さであろう。凋落を感じながらも再起をかける女優、情熱を失いつつも今の仕事に向き合う女性マネージャー、ロケ地で偶然にも再び映画への道へ誘われる元女優。この三人の心象風景が見事に描かれる。

元女優の小学生の娘が、言葉を発せられずにティンホイッスルを吹く。人生の転機と再生、そしてその決断。自己存在の意味と証明。そして言葉と心。自分は何をしたいのか、自分の本心は自分でもわからない。しかし生命は知っている。それが噴き出すには、何かのキッカケがいる。"運と運命""縁と逡巡""有と無と空の世界"のなかで、自己肯定の決断がティンホイッスルの音として跳躍する。


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12月14日、日・ASEANの首脳が一堂に会し、日・ASEAN特別首脳会議、特別ディナー(ガラディナー)が開催されました。私も関係閣僚として特別ディナーに出席し、各国首脳などと懇談しました。

特に、8月に訪問し、会談を行ったミャンマーのテイン・セイン大統領、9月に訪問したベトナムのズン首相、今月末に訪問予定のインドネシアのユドヨノ大統領――我が国がASEANとの関係を一層強化していく上でコアとなる重要な3カ国の首脳と懇談できたことは大きな意義がありました。

今年は日本とASEANの交流が開始されて以来、40年目の節目の年に当たります。これを記念し、一年を通じ様々なイベント、取組みが行われました。特別首脳会議はこのフィナーレを飾るイベント。首脳間で、更なる関係強化に向けた重要な合意がなされました。

40周年のテーマは「つながる想い」「つながる未来」。インフラ整備、防災対策、観光――日・ASEANの関係を一層強化するために国土交通省が大きな役割を担います。頑張ります。



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政治には、説得力がますます大切になる。各事象の説明とともに中長期的な見通しを示す。方向性を指し示す理念・哲学、構想力がますます大切となる。コミュニケーション能力、それもますます小まめでスピード、リズムまでが求められるようになった。

鈴木哲夫さんには「現場」「温かさ」を感ずるが、「政治ニュース"劇場化"の内幕」「選挙における政党のコミュニケーション戦略」「ネット選挙と安倍政権の情報戦略」などを語っている。難題。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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