12月10日、米国マサチューセッツ州のデヴァル・パトリック知事らと会談しました。マサチューセッツ州は米国建国以来、政治・経済・文化・學術の中心地の一つです。また、最近は、先端技術を用いたモノ造りや新エネルギーの分野で世界の最先端の取り組みをしています。

会談は、リニア、航空、観光の他、知事が特に力を注いでいるIT、クリーンエネルギー産業にまで話題が及ぶ充実したものとなりました。

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今年は日・ASEANの交流が開始されて40周年の記念の年です。14日には、日ASEANの首脳が一堂に会し、日・ASEAN特別首脳会議が開催されます。

11日、これに先立ち、日・インドネシアの第4回MPA(ジャカルタ首都圏投資促進特別地域)運営委員会が開催されました。私も岸田外務大臣らとともに出席し、インドネシアのハッタ・ラジャサ経済担当調整大臣等関係閣僚と、ジャカルタ首都圏のインフラ整備について意見交換を行いました。

インドネシアはASEANの約4割の人口、最大の経済規模を誇るASEANの中核国ですが、インフラ整備はまだまだ不十分な状況です。MPA運営委員会は、両国が連携し、ジャカルタ首都圏の鉄道、空港、港湾、道路、下水道等のインフラ整備を加速化する取組です。対象事業は45事業、事業総額は約3.4兆円です。このうち、28事業が国土交通省関係。国土交通省が大きな役割を担います。

会議では、特に整備が急がれる20の事業について、進捗状況を確認の上、事業加速化に向けた方策を両国の関係閣僚間で議論しました。

MPA対象事業は、インドネシアの発展を支える重要事業。我が国にとっても成長戦略の柱であるインフラ輸出を促進していく上で重要です。着実な進展が図れるよう、頑張ります。


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「弓矢小町」と呼ばれる有川家の姉・伊也と、藩随一の弓上手・樋口清四郎の秘める恋。妹・初音、有川家に寄寓する新納左近。藩内の権力抗争のなか、伊也の息詰まる壮絶な千射祈願が始まる。

「わが想いは一筋の矢の如し、届け――」――成さんという思いがあれば、ことは叶うものだ。そして「石ばしる垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」「この春はたれにか見せむなき人のかたみにつめる峰のさわらび」――。「源氏物語」の宇治十帖「早蕨」の巻にある姉妹の互いを思う美しい心持ちを、あの「蜩ノ記」の葉室麟さんが実に心の襞を心優しくなでるように見事に描く。


池波正太郎.JPG「自前と自立は違う」「自立は自分が属していた共同体や世間から勝手に飛び出していくというところがある。一方、いろいろな状況を受け入れてこそ、自分の人生であると思っているのが自前」と佐高さんは言い、田中さんは「女性の自立と言う言葉があるけれど、経済的には自立できたとしても、自前の人間になれるがどうかは別。経済的に依存していても、自前の思想を持っている人はいるはず」と応える。

長谷川平蔵、18世紀後半、江戸中期の旗本、火付盗賊改役。江戸そのものが描かれる圧倒的な臨場感。私も一時、台東区柳橋に住んでいたが、江戸の粋がある。鬼平も粋だ。勧善懲悪、正義が貫かれるが、水戸黄門や暴れん坊将軍とは全く違って、上からではなく街の中に平蔵はいる。この世にある表と裏の世界が率直に描かれ、恩義や人情がある。「成敗」では全くなく「許す」「見ぬ振りをする」がある。池波正太郎の描く世界は人間、人情の世界。魅力的だ。「貧乏の活気があった・・・・・・」「貧乏の余裕があった・・・・・・」など、なかなか表現できない言葉だし、宿業を背負いつつ、生きかたをお互いに持っていることを認め合う時代と人間世界がそこにある。


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「国民の命を守るため、地域の生活を守るためにしっかり対策に取り組む」――。12月5日、都内で開催された「災害復旧促進全国大会」に出席し、挨拶しました。

今年も多くの災害が発生しました。まず、昨年末から3月にかけての豪雪。青森県酸ヶ湯では観測史上最高の積雪566cmを記録しました。夏から秋には山口県、島根県、秋田県、岩手県など各県で集中豪雨が発生。9月の台風18号では京都府、滋賀県、福井県で特別警報が初めて発令され、10月の台風26号では伊豆大島で記録的豪雨による大規模な表層崩壊が発生し、39名の死者・行方不明者を出す大災害となりました。埼玉県や千葉県などでは竜巻や突風の被害もありました。

改めて、災害で被害に遭われた方々に対し心からお見舞いを申し上げます。

特に感じるのは、これまでとは異次元の現象が起きており、今までとは違う対応が必要となっているということです。温暖化が進み、フィリピンを襲った台風30号のようなスーパー台風が日本に上陸する事態も想定しなければなりません。さらに、洪水や高潮により地下街が浸水するような事態にも対策が必要です。脆弱国土日本であるとともに、文明の進歩に伴って脆弱性がさらに増している点も考慮しなければなりません。

国民の命を守る防災、減災対策にしっかり取り組みます。



原敬の大正.JPG「日本の近代史で最も重要な人物五人を挙げるとすれば、福沢諭吉、西郷隆盛、原敬、北一輝、昭和天皇だろう」と松本健一さんはいう。

「原敬(たかし)が直面したのは近代民主政治、つまり主権在民の政治と主権が天皇に在る明治憲法との矛盾である」「北一輝という革命的ロマン主義者と原敬という稀有な保守的現実主義者との対立は、大正という時代の矛盾そのものであったかもしれない」「原敬はまさしく、現実をあるがままに見るリアリズムの政治家であった。そして、その現実主義のうえに立って国家統治をプラグマチック(実務的)に処理していこうとした」「国家は伝統(道徳や宗教や慣習)を引き受けつつ、漸進的な改革を行い、そのことによって社会秩序を維持しなければならないというのが、彼の保守主義であった」「大正時代に最初の政党内閣を組織した原敬は、西洋近代文明を議会、民主主義、政党政治で具体化、定着させた。藩閥政治を抑え軍閥政治の危険性を見抜き、軍部が天皇の名を利用し独走するのを防ごうとした」――。

明治維新から明治、そして立憲政体、国会開設運動。大隈重信、伊藤博文、陸奥宗光、山縣有明、西園寺公望、後藤新平、桂太郎・・・・・・。原敬の「政治は力である」は政党に結集する力を源泉とするが、藩閥と戦い、寺内内閣のシベリア出兵と戦いつつも、時には現実主義の欠陥もさらけ出す。激流の時代のなかで、堅固な意思と柔軟性をもって厳と立つ丈夫あってこそ社会の安定は築かれる。そして大正から昭和へ。大衆共存党(永井柳太郎)に現われる無産大衆の生活不安からの解放を志向するファシズム革命思想の流れのなかから大正10年の安田善次郎刺殺、原敬暗殺が生まれたという。凄みを感ずる大作、力作だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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