天子蒙塵 4.jpg1931年9月、満洲事変が勃発。翌32年3月1日、満洲国の建国が宣言され、執政にラストエンペラー・溥儀が就き、「王道楽土」「五族協和」が謳われる。34年3月1日、溥儀が帝位に就き、満洲国は満洲帝国となる。青空の下で挙行された式典に至るまでの激動、争覇の2年間。日本と中国、そのなかで各人の思惑は異なり、絡み合う。

大清の復辟だと信じて即位する溥儀は、「祖宗の地たる満洲において足元を固め、いつか長城を越えて喪われた紫禁城を取り返し、太和殿の龍陛を昇って王座に就く」と志す。側につく梁文秀や李春雲等々。欧州から帰還した満洲の覇者・張作霖の息子・張学良は「漢卿、中国には君が必要なのだ」「30万の東北軍を」との声を受け、襲う刺客を葬っていく。蒋介石の思惑、周恩来の思考、そして日本では満洲国建国を推進した石原莞爾、その関東軍とは異なる見解をもつ永田鉄山の信念と現実的判断等々が、生々しく描かれる。そして時代の濁流のなか騒然たる世相も。

「第1部蒼穹の昴」から始まったシリーズ。「珍妃の井戸」「中原の虹」「マンチュリアン・リポート」に続いて「第5部天子蒙塵」が、これで完結する。


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11日の日曜日、心地よい日差しのなか、「第52回北区少年少女サッカー大会開会式」 や「町会・自治会の文化祭」「茶華道展」などが開かれ、また「ナショナルトレーニ ングセンターの視察」を行いました。

「北区少年少女サッカー大会開会式」は、赤羽スポーツの森公園競技場で開催され、 35チーム約1600人が参加。日テレ・ベレーザDF岩清水梓選手の始球式も行われ、大変 に盛り上がりました。

この日も各会場で多くの方と懇談・挨拶をしました。


沈黙のパレード.jpg3年前に行方不明となっていた歌手志望の若い女性(並木佐織)の遺体が発見される。容疑者はなんと、20年ほど前に起きた少女殺害事件(本橋優奈ちゃん事件)と同じ蓮沼寛一。しかし犯行確実と思われた両事件はともに、完黙の末「無罪」「証拠不十分」で釈放されてしまう。「あいつがやった」「犯人間違いなし」と思われているのに、司法の場では裁けない無念。遺族や街の人々の憎悪が噴出し、秋祭りのパレードの日、ある計画が挙行される。

二件の殺人事件を担当しながら起訴できず、悔しい思いを抱く草薙。米国から帰って人情味が増した感のある湯川(ガリレオ)。並木の家族や友人・戸島、新倉夫妻、佐織の恋人・高垣智也、警察の草薙の同僚・内海薫等・・・・・・。二転三転、絶妙のタッチで真実に迫り、心音を聞いていく。


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11月9日、福岡市に行き、高瀬弘美参議院議員の政経セミナーに出席・挨拶をしました。これには、下野六太・参院選予定候補らが参加しました。

挨拶のなかで私は「公明党は常に真っ先に現場に駆けつけ、現場の声を聞き、それを具体的に政策実現することによって、今やすべての政策に公明党が関わっている」「現在国会で論議中の外国人労働者受け入れ問題で大事なことは、まず今の職場をしっかりさせること。そして、日本の若者が入って来られるような環境――『給料がいい、休暇がある、希望がある』の新しい3K、にすることだ」「大きな変革期にある日本において公明党は、変革の渦の先頭に立って、社会保障や防災・減災の対応をしていかなくてはならない」などと述べました。

政経セミナーに先立ち、有料老人ホームを訪問。翌10日は、公明党福岡県本部の幹事会に出席し、明年の統一選・参院選の勝利に向けての日常活動について話しました。


文明の精神.jpg前著「森の日本文明史」に続いて、世界・宇宙をも視野に入れて新しい「生命文明の時代」が来ることをダイナミックに語る。その背景には「この広大な宇宙に生命の惑星地球が存在するだけで奇蹟にちかい。その地球に人類が生きているのはなおさら奇蹟である」との感動があり、一神教の人間中心主義に立つ「物質エネルギー文明」が死を迎え、生命の循環システムに立脚した「生命文明の時代」が構築される、という。前者は自然を支配し人間の王国をつくろうとしたが、これ以上自然の収奪が続けば、現代文明崩壊の闇が迫る。しかも、前者の制度・組織・装置系に憧れ、それを受容している間に、内核としての価値観や心も変わっている。それが今なお破局的に進行している。宇宙・自然の豊かな生命が失われ、人間が壊れていっていると危機感を発する。ましてや日本は、「生命を畏敬する多神教的な世界観と仏教的世界観を温存している」のではないか。それは「池田大作氏とトインビー博士の"21世紀の対話"」でも明らかではないか、という。そして、欧州と違って、城壁を持たない東洋の稲作漁撈型都市を「農村文明」として提唱する。ヨーロッパは「家畜の文明」であり、日本には誇るべき里山があり「森の文明」なのだ。つまり、これからの未来社会は再生力ある「自然=人間循環型の文明」を創造することだ、と強調する。

家畜を核とするヨーロッパの農耕社会は、自然搾取型の地域システムをつくり、これが世界を席巻するに至った。そして日本は「森の民」としての文明的伝統を維持してきたが、戦後のとくに昭和30年代から40年代、山村が急速に崩壊を始めた。「森の民」日本人の危機である。稲作漁撈民は、森の下草等、海の海藻等の資源を利用し、生命の水を核とする循環システムをつくりあげた。森を破壊し、自然から収奪する欧米文明ではなく、「自然を生かし己をも生かす」自然=人間循環系の縄文の文明原理にこそ真の価値を見い出す時だ、という。そして「里山・里海の生命の水の循環を守り通してきた祖先の生活様式(ライフスタイル)に感謝し、未来を想い描かねばならない」と強く主張し結んでいる。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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