tyatto.jpg「生成AIが変えた世界の生き残り方」が副題。昨年11月末にChatGPTが無料公開され、驚異的スピードで広がっている。従来のチャットボットと大きく違い、私たちが普段使っている自然言語でなめらかなコミニュケーションが取れるものだ。ChatGPTは文章を自動で生成するAIだが、画像や音楽などを自動で生成する「生成AI」の進展スピードはさらに速くなる。開発元は「オープンAI」で、AIが自然言語を処理する「大規模言語モデル(LLM)」をアップグレードしてきた。

「生成AI戦国時代、マイクロソフトの猛追」――。AI開発において遅れをとっていたマイクロソフトが「この分野こそは」とトップを走ろうとし、グーグルがさらに巻き返しにかかり、今年2月には対話型AIBard」をテスト公開、Chat GPTよりも最新の情報で回答しようと意欲的だ。メタ・プラットフォームズやアマゾンも加わり、覇権争いは加熱していく。中国もだ。日本の開発は遅れをとっているが、大企業などの生成AIの活用は「効率化を図り、アシスタントとして使われる」こと必至である。「尤もらしい回答に過ぎない」「生成AIは理解しているわけではない」ことを十分踏まえ、著作権等の諸問題、さらには、人間の頭脳に及ぼす深刻な影響に教育面等からの本格的対処が重要となることは言うまでもないが、テクノロジーの進展はとどまることはない。

「生成AIは私たちのビジネスや仕事を破壊するのか」「クリエイターの仕事は生成AIに奪われるのか」「言葉や文書を多く使うホワイトカラーの業種や士業はどうなる」ということを、本書は詳述し、要するに「AIに仕事を奪われないためには、AIを使いこなすこと」「生成AIという有能な副操縦士を使いこなす『機長』になろう」と言う。そして機長であるために重要なポイントは、最終チェックは、現時点では人間の役割常に「差分を問う」スタンスを持つーーを示す。「差分」とはテクノロジーの差分だ。そして指示されたコードを書いてるだけのエンジニアは淘汰され、「価値が高まるのはビジョンを描ける人」と言う。

そして「日本語というマイナー言語ゆえの不利さ」はあるが、「日本の強みが活きるのは『遊び』のサービス」「画像生成AIの活用に日本企業の勝機がある」「一定のルールを設けて業務で生成AIを利用するべき」「海外で学ぶ人材をどんどん増やすべき」ことなどを提唱している。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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