kirie.jpg路上シンガーのキリエは、歌うことでしか声を出すことができない。ある夜、過去と名前を捨てたイッコはその歌声に驚きマネージャーを買って出る。実は彼女は、帯広の高校で1年上の先輩であった。そして二人と数奇な絆で結ばれた塩見夏彦。夏彦はキリエの姉と恋人同士。3·11東日本大震災の津波で行方不明となってしまっていた。

キリエも夏彦も、3·11で姉、恋人それぞれを失って心に大きな空洞を抱え込み、人生は決定的に狂う。
それから13年の間に、3人の運命は幾たびか交差し、互いを懸命に支え合い、また離れたりする。石巻、大阪、帯広、そして東京。いつも通常の社会から孤立していながらも、生き抜こうとする3人。心にしみ入るものがある。言葉を失っているからこそ、全てを注ぎ込んだ異次元の歌声は、人々の心の奥底を乱打する。

3.11 は今も消すことのできない傷跡を残している。その心の奥底に迫るのは、人間の始原的同苦の情。音楽や映画によってしか表現できないのかもしれない。本書は、映画「キリエのうた」の脚本・監督の岩井俊二さんの原作。 

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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