「心をつかむ44のヒント」が副題。演説やスピーチというより、会話力、会話の妙や楽しみ方、空気を変えるタイミング絶妙の言葉など、阿川さんの自身の豊富な経験から示してくれるコミニュケーション術。貴重なヒントが満載。
「何を話したいか。それが問題。もっと積極的に『話したい』テーマやエピソードがあったら会話ができる」「インタビューをする際、質問は1つだけ用意する。質問を10も20も用意していたら、2つ目の質問をいつ切り出そうかとタイミングを伺ってしまう。つまり、相手の答えをろくに聞いていない」――国会の質疑でも典型的だ。
「会話とは"しりとり話題合戦"」 ――間違いなく会話はキャッチボールだと思う。演説ではないし、演説をしたら嫌われる。「相手の話に共感し、反応する」「助け舟を出すことを心がける(三宅久之、ハマコウさんの話)(今日はまたいちだんと。さっきの話の続きは?)」・・・・・・。「モテる男は聞き上手(石田純一さん、自分の話はしないでまず女の子の話を聞くことかな)」「人の話は90%が自慢と愚痴である(東海林さだおさんの名言)」と言う。「相手との距離感をつかむ」――この人には本音を話せるという距離感と興味ある中身をさらけ出す姿勢が政治家には特に大事だと思う。「会合では、1番下っ端にしゃべらせる」「話題に窮したら病気自慢」・・・・・・。
「女性で大事なのは共通の悩み」「いつもにこやかなのは良い(不機嫌や怒っているはダメ)」「おしゃべりは女にとってストレス解消」「末っ子には特有の能力があるようだ(周囲の人間に愛されて、上手に甘えて仕事です成果を上げている。ポジティブ、甘え上手、屈託がない)」「専門用語でなく、相手に合わせた平易な言葉を使う(わかりやすいことが大事)」「心に響く言葉選びを心がける」「人は他人の不幸話に魅了される(立派な話には興味がない。むしろ自虐ネタ)」「認知症の母と話す――最初イライラ、そして受け入れる」・・・・・・。
これらはまさに人間学だ。