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主張/「森の防潮堤」構想/緑の防災・減災のモデルに

2013年7月12日

太田国交相決断で始動 環境・景観保全などにも有効
 
止まっていた歯車がにわかに音を立てて回り始めた。英断を下した太田昭宏国土交通相(公明党)への評価の声も絶えない。まさに「政治の醍醐味」と言っていいだろう。

東日本大震災で被災した東北の太平洋沿岸部を長大な緑のベルトで結ぼうという「森の防潮堤」構想が具体化に向けて動き出した。

先月30日、太田国交相が出席して、国主催の植樹式が宮城県岩沼市で初めて開かれたもので、この"快挙"に名を連ねようと全国からも700人の一般市民が参加した。

同構想は、国際的な植物生態学者・宮脇昭氏が提唱するもの。震災で発生したがれきを活用して盛り土を作り、そこに3・11の大津波にも耐えたタブノキやシイなど常緑広葉樹の苗木を植樹。かくして20年、30年後には、根を地中深く張ることを特性とする常緑広葉樹で覆われた柔構造で堅固な「森の防潮堤」が誕生するという遠大なプランだ。

効果は津波対策だけにとどまらない。環境・景観保全や観光資源の開発、地域の憩いの場としての機能、さらには防災意識を高め震災の記憶を後世に伝える役割なども期待できる。式典で太田国交相が「これを第1号のモデルとして、"緑の防災・減災"のネットを全国に広げていきたい」と語ったゆえんだ。

ただ、そのスケールの壮大さのゆえか、それとも単に縦割り行政の弊害のゆえだったのか、昨年3月の構想発表以来、岩沼市など幾つかの被災自治体で復興計画に同構想を導入する動きはあったものの、民主党政権下の国の反応は鈍く、一向に具体化される気配はなかった。

こうした中、昨年12月に自公連立政権が誕生して太田国交相が就任すると、空気は一変。国交相は早速、同構想の再検討を省内に指示する一方、自らもたびたび被災地に足を運んで関係者と意見交換。「1000年に1回という津波にも耐える粘り強い森の防潮堤をつくりたい」(国会答弁)と決断したのだった。

「さすがに『生命の尊厳』を政治生命としている公明党の政治家」(安田喜憲・東北大学大学院教授)、「先見性をもったトップの決断で世界に誇れる"命の森づくり"ができる」(宮脇氏)。式典に参加していた関係者の誰もが、こうした声を誇張もなく世辞もなく吐露していたのは当然だったと言わねばなるまい。

このことを自負ともし、誇りともし、公明党は次世代の命も見据えた森の防潮堤づくりを、国交相ともども果敢に推進していく覚悟である。 

(7月12日付公明新聞から転載)
 

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