政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.154 医療提供体制の拡充を急げ!/デルタ株を抑える人流抑制

2021年9月 3日

デルタ株による感染が猛威を振るっている。9月1日(火)の全国の感染者数20,025人、重症者66人、死亡者82人。全国に感染が広がっていること、ワクチン接種によって65歳以上の重症化が減っているものの40代や50代の重症化が進んでいること、10代、20代ばかりか子どもにも感染が急増していること等、デルタ株の感染力が強いことが顕著となっている。そのために、「自宅療養者の急増」「自宅療養中の妊婦が入院できず自宅で出産したが新生児が死亡」などが起きており、「ホテル等、宿泊療養施設の確保」「軽症・中等症者の重症化を防ぐ『抗体カクテル療法』の早期投与体制の拡充」「重症化リスクの高い感染者が早期入院できる医療提供体制の整備」など、緊急対応が不可欠だ。

ワクチン接種 豊島区.jpg緊要なことは「人流を抑えるなどで感染拡大を防止すること」「軽症・中等症に対処し、重症化を防ぐ医療提供体制の早急な構築」だ。とくに自宅療養者の急増に対応する「ホテル等の宿泊療養体制の拡充」と「酸素投与、治療を行う臨時医療施設の設置・拡充」だ。政府も都道府県や医療関係者との連携を強めて実施に努めているが、急ぎ具体化することが重要だ。治療に当たって軽症・中等症者の重症化を防ぐ新薬の中和抗体薬「ロナプリーブ」を用いる「抗体カクテル療法」があることは以前と違って心強いが、これは点滴を行う医療行為であるだけに、医師・看護師が不可欠だ。療養施設の確保と医師・看護師への財政面も含めた思い切った支援を断行しなければならない。東京都ではこのほど、一時的に患者を受け入れて酸素投与などができる施設を拡充することが決定した。自宅やホテルで療養中に症状が急変しても救急搬送、入院調整が難しい状況を打開するためだ。具体的には、旧国立総合児童センター「こどもの城」(渋谷区)に酸素投与できる「酸素ステーション」を約130床規模で開設し、救急搬送患者を受け入れるほか、都立・公社病院でも、入院調整中の患者への対応が強化される。政府として「酸素ステーション」設置を打ち出しているが、中等症患者が必要としているのは酸素だけではない。新薬の「抗体カクテル療法」、レムデシビルの治療開始などを具体的に組み合わせる体制・制度づくりだ。

NO.153 脆弱国土を誰が守るか!/家康以来続く利根川・荒川との戦い

2021年8月 5日

「脆弱国土日本を誰が守るか」「防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化を国の柱に」――私が政治活動のなかで言い続けてきたことである。「災後の復旧より事前防災」「インフラのストック効果こそ経済成長のエンジン」がその哲学だ。災害列島日本――。今年もすでに静岡県熱海市伊豆山で多くの死者・不明者を出した土石流災害が起き、今も救出活動が行われている。今年の通常国会で「流域治水関連法」が成立。防災・減災、国土強靱化のために今年から5年、事業規模15兆円の予算を緊急対策として行うことが決まっているが、災害を食い止めるよう闘うべきヤマ場だと思う。

7月3日、熱海市で発生した土石流災害は、紀伊半島で2011年に発生した深層崩壊とか、伊豆大島で2013年に発生した"河川争奪"といわれる土石流などとは違うようだ。災害のメカニズム、原因究明については、調査が続いているが、"盛土"に関連していることは間違いない。"盛土"も宅地造成等を行う場合には、排水や地盤強化策などが行われているのが通常だが、今回の熱海市の土石流は、残土が安全な措置をされずに盛土されていたとの見解がある。国交省は79日、「デジタルマップを利用した全国における概略的な盛土可能性箇所の抽出」を全国的に行い、盛土の点検作業に踏み出したが、原因究明・再発防止への積極的取り組みを行ってほしい。

京成視察①.jpg今年度中には私の地元・JR東北本線橋梁周辺の堤防嵩上げ工事が完成する。ここは、荒川が隅田川と分岐する岩淵水門のすぐ上流にあり、この堤防がJR東北本線の橋梁によって低くなっていることを改善する大事な事業だ。この堤防が強化され、埼玉県の荒川上流に建設中の第2、第3調節池が10年以内に整備されると、文字どおりの"荒ぶる川"の荒川の氾濫は防ぐことができる。残るは荒川下流で、最も低い堤防となっている京成本線荒川橋梁部分だ。周囲より3.7m低く(戦後に3.4m地盤沈下)、増水時には、ここから決壊の恐れが懸念されている。現在、橋梁の架け替え工事の計画がまとまり、土地の買収等が始まっている。ここを完成させて、荒川を治めることができる。

NO.152 「コロナ」「災害」「オリ・パラ」に安全・安心!/仕事をするのが政治家の役割

2021年7月 1日

7月を迎え、目の前には直面する課題と不安がある、私は「仕事をするのが政治家の役割」「政治は結果」「徹底して現場を走れ」「直面する課題に正面から取り組む」を信念として貫いてきたが、今、打開すべき課題は多い。まず「新型コロナ」――。621日から沖縄を除いて、東京、大阪をはじめとして「緊急事態宣言」から「まん延防止等重点措置」に切り替えたが、東京などは前週の感染者数より増えている。ゴールデンウィークに徹底して「人流を止める」ことに力を注いだが、その後、人流が増加傾向にあり、それが今、東京などの感染者数の増加となっている。加えて感染力が強いというデルタ株が増え、広がり始めた。危険な兆候だ。感染対策・人流抑制の強化が大切だ。

ワクチン接種会場.jpg一方、ワクチンの接種は、かなり加速している。5月からの各自治体における集団接種に始まり、6月からはかかりつけ医などの個別接種が本格化し、621日からは職域での接種が開始された。国・県の大型接種会場も加わった。7月末には65歳以上の接種がほぼ終わる。6月末からは各自治体での65歳未満の接種が開始された。各自治体、医師・看護師、オペレーションをする事務担当の方々には、大変は尽力をいただいている。ただ、接種する人数が想定と違っていたり、ワクチンの供給能力が不足するという見込みが流れ、現場が混乱することがある。政府は、諸々の打出しに、「現場がどうなるか」を考えて慎重を期すことがきわめて大事だ。バタバタ感が出て一番困るのは現場を担う人たちだ。

NO.151 ワクチン接種の加速化に全力!/「変異株」「国産開発」に中長期戦略を

2021年6月 1日

ワクチン接種が始まっている。接種を担う市区町村では、5月のゴールデンウィーク明けから高齢者への予約が本格化された。75歳以上を先行させた自治体も多い。当初は「予約の電話が通じない」「ネット予約に不都合が生じた」などの苦情が殺到したが、翌週からは「予約ができて安心した」という声を聞くようになり、落ち着いてきたことを現場を歩いて実感する。「高齢者3600万人への接種を7月末までに完了する」「1100万回の接種」を政府は目標として掲げている。今年1月に、感染者が16万人にも及んだ英国は、ロックダウンでもなかなか収束しなかったが、ワクチン接種が進んだ今、日常を取り戻しつつある。米国でもイスラエルでも、ワクチンが"収束の切り札"となっていることが明らかだ。

20210601_104630.jpg現場から見ると、各自治体の懸命な姿勢が目立っている。何よりも医師・看護師との連携、そして会場の確保、さらに一人でも多くの方々にスムーズに接種できる工夫の数々だ。予約の受付回線を増加させることは、多くの自治体が取り組んだところだが、「区の施設に職員を派遣し、相談と受付を行う(足立区)」「コロナ禍で仕事が急減している旅行会社に予約受付を代行してもらう(荒川区)」などが工夫され、予約が進んでいる。また「要介護者の送迎に地元タクシー会社を使い、無料で接種できる(北区)」「要介護者等に訪問接種を行う"ドクタータクシー"の仕組みをつくる(荒川区)」など、私の地元周辺での各区の取り組みは多彩で知恵を絞っている。高齢者へ2回接種するワクチンの必要量7200万回を大幅に上回る量を6月末までに届けるメドが立っていることと、集団接種だけでなく「かかりつけ医での個別接種」が6月から本格化する自治体も多く、いよいよワクチン接種の加速化が実感できるようになると思う。

NO.150 デジタル社会で必要な人間の力!/「読解力」「共感力」「想像力」を鍛えよう

2021年5月 3日

GIGAスクール①.jpgデジタル化が遅れているといわれる日本だが、今回のコロナ渦でその弱点が露わになっている。各種支援金の支給においても、ワクチン接種・医療の場面でも、日常化するテレワークでも、デジタル化の緊要性が目立つようになった。「デジタル社会・AI時代」「デジタル庁」「DX」「GIGAスクール構想」「デジタル教科書」......。テクノロジーが「便利」「効率」とともに社会全体の革新をもたらし、弱点克服は急務だ。「デジタル敗戦」とまでいわれる日本だ。DX、デジタル社会を加速することは最重要の課題であり、日本にこれまで伝わってきた慣習や論理立てを変える大きな意識改革が求められている。一方、それが進むがゆえに、人間そのものへの影響も考えるべきことだ。「AI vs 教科書が読めない子どもたち」(新井紀子著)、「デジタルで読む脳×紙の本で読む脳」(メアリアン・ウルフ著)、「スマホ脳」(アンデシュ・ハンセン著)などがベストセラーとなり、デジタル社会・AI時代への警鐘を鳴らしている。いずれも「読解力」「共感力」「分析力」「学習効果」などの点で、デジタル化が人間形成、頭脳等に与える問題の指摘だ。

「デジタル教科書」については先般、文科省の有識者会議がデジタル教科書の活用についての中間報告をまとめ、2024年度を本格導入の契機と位置づけた。整理すべき論点は多く、十分な課題検証、慎重な検討が必要だ。各自治体・学校現場では「長時間利用による健康被害」「目や脳への影響」「教員のICT指導力不足」「学校内外の通信環境」「費用負担」など、多くの不安が寄せられている。しかし、より根本的な問題は「思考力や判断力の基礎となる学力」「学習効果」の問題であり、精神科医のアンデシュ・ハンセン氏も「自国のスウェーデンでは学習効果が落ちた」といい、数学者の新井紀子氏も「デジタル教科書の便利な機能によって、読解力の育成が阻まれる恐れがある」と問題を投げかける。副教材として、デジタル教材を使えばいいと、誰しも考えるだろうが、新井氏は「理科の実験の手順を動画で理解ができても、文章では理解できない子どもが育つ可能性がある。数学の多面体の回転や展開図も、動画を見れば頭でイメージする必要がなくなる。手を動かして実験を行い、紙に向かって考えながら作図や計算をする活動が大切だ」と指摘している。現在進んでいる11台の端末を学習に有効利用する「GIGAスクール」には賛成だが、デジタル教科書については、慎重な検討が求められるということだ。

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