政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.78 木造建築のさらなる普及を推進/2020年東京五輪で和の空間アピール

2014年12月30日

木造建築で今、新しい動きが始まっている。私もその推進に力を入れている。役場の庁舎や学校、体育館などの公共建築物でも、商業施設や集合住宅などの民間建築物でも、大規模な木造建築が次々と建てられている。優れた公共建築物を表彰する「公共建築賞」で今年度の国土交通大臣賞を受賞したのは、高知県梼原(ゆすはら)町の総合庁舎。延べ面積3,000㎡、地上2階地下1階建てで、地元産の杉をふんだんに使った木造建築だ。しかも銀行や農協までその建物に入っており、文字どおり町の生活・活動の中心拠点になっている。


我が国は国土の7割を森林が占め、森林資源が豊富。木材は、我が国の住宅・建築物に使われてきた伝統的建材だ。内装に木材が使われた空間は落ち着いた安らぎを与え、心地よい。断熱性や除湿作用にも優れているため日本の気候・風土にも合っており、さらに地球温暖化防止に貢献する効果もある。地域活性化のためにも重要な資源であり、住宅だけでなく官民を問わず木材の活用を一層進めていかなければならない。


このような動きは、近年必要な制度改正を進めてきたことで加速してきているものだ。


まず、平成22年10月に施行された「公共建築物等における木材利用促進法」。これは、国や地方公共団体が建築する公共建築物について、木材利用の努力義務を課し、目標を定めて取り組むこととしたものだ。その結果平成24年度では、公共建築物が42棟、従来であれば鉄筋コンクリートで作られていたものが木造化された。これは前年度に比べて35%増と、急速に増えてきている。

NO.77 重要な2020年東京五輪までの5年/実感と未来へ――景気・経済、防災・減災

2014年11月26日

自公連立政権の安倍内閣がスタートして間もなく2年。「景気・経済の再生」「被災地の復興加速」「防災・減災をはじめとする危機管理」を三本柱として、これまで改革を進めてきた。その成果は間違いなく上がっている。円高は是正され、株価も上がり、"心のデフレ"は打ち破った。被災地の復興も確実に進んでいる。さらに防災・減災、老朽化対策もこの2年で大きく前進した。私は昨年を「メンテナンス元年」としたのをはじめ、「防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化」を初めて公共事業のメインストリームに位置付け、大きく流れを変えた。

しかし私は、この2年間はマイナスをゼロ+αにした段階だと思う。これからは、さらに本格的プラスへの歩みを始めなければならない。率直に言って、これからの10年は「日本の命運を決する10年」だとつくづく思う。2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでの5年、ポスト五輪の5年――この10年で未来への礎を確固として固められるかどうかが最も重要だ。

その中間点の2020年までには、経済のデフレ脱却を実現し、成長軌道に乗せなければならない。被災地の復興は、実感が得られる「復興宣言」までもっていかなければならない。財政面では、プライマリーバランスの黒字化を達成する目標が2020年。防災面でも、災害が頻発する脆弱国土日本だが、安全・安心が確実に得られるところまでもっていかなければならない。もちろん、オリンピック・パラリンピックの成功、外国人旅行者2000万人達成という目標も明確だ。

そしてポスト五輪――。前回の東京オリンピック後の昭和40年は不況に陥った。しかし、今回は持続的成長をなんとしても図らなければならない。そして団塊の世代が75歳を迎えるのが2025年。いわゆる"2025年問題"を克服し、高齢者の社会保障と雇用等があるバージョンアップした日本をつくりあげなければならない。そして人口減少社会を凝視し、少子化対策への歩みを確実に始めることだ。地方創生、個性ある都市と都市の対流が起き、まち・ひと・しごとが動き出す。それが2025年だ。

NO.76 マニュアル主義を排し災害に立ち向かう主体性を/文明の進展に潜む脆弱性

2014年11月 5日

今年も災害が頻発している。冬の豪雪、夏の集中豪雨、そして御嶽山の噴火で多くの死傷者が出た。そこで再認識されたのが、命を守るためには的確な避難行動が重要だということだ。ハードの整備だけでなく、危険な状況が迫っていることを自治体や住民に伝え、避難の判断に結び付けていくソフト対策が重要になる。

しかし私が感じているのは、文明の進展によって、人間が危機を感じる力、危機から自分の身を守るために判断する力が決定的に弱まっているのではないかということだ。「現代人には、鎌倉時代の何処かのなま女房ほどにも、無常ということがわかっていない」(無常という事)と言ったのは小林秀雄だ。生きること自体が自然の脅威との戦い、危機と常に隣り合わせといった昔と比べて、現代人は甘すぎると言ってよい。人間が生きる上でのたくましさを失ってきているとも言える。

文明や技術が進歩し、都市ではさまざまなインフラの整備によって利便性が高まっている。平時であれば災害の危険性が身の回りに存在することを意識することはない。災害時でも、例えば東日本大震災で津波警報が出ても「防潮堤があるから大丈夫」と避難しなかった人がいたように、安全性への過信が生まれている。

さらに情報化の進展だ。インターネットで大量の情報を容易に入手できるため、マニュアル偏重になり、自分で情報分析や判断をしなくてもよくなっている。このマニュアル偏重がこわい。それが"失敗学"で最も指摘されるところだ。人間の考え方や行動様式が変化したことによって、実際に災害や危機に直面した時に被害が大きくなるリスクが高まっているのだ。

さらに例えば、東京などの大都市では地下街や地下鉄など地下利用が広がっているが、堤防の決壊などで浸水が発生すると未曽有の被害になるおそれがある。都市化によって新たなリスクが生じていることも考えていかなければならない。

NO.75  豪雨は新たなステージに入った/命を守る"逃げるソフト対策"を

2014年10月 9日

この夏、広島などでの集中豪雨や御嶽山の噴火があり、多くの尊い人命が失われた。御嶽山では今もなお行方不明者の捜索が続いている。こうした異常な現象は世界的に起こっており、世界各地で豪雨や渇水、アメリカなどでは山火事が相次いでいる。我が国は災害が多い脆弱国土。私は10月8日に「新たなステージに対応した防災・減災のあり方に関する懇談会」を立ち上げ有識者から意見を伺い、対応を本格的に始めた。

雨の降り方が最近明らかに変わってきた。集中化、局地化、激甚化しているのだ。8月20日に広島市を襲った豪雨では、バックビルディング現象により積乱雲が次々と発生して線状降水帯を形成。3時間で217㎜という集中的・局地的豪雨により甚大な被害が生じた。全国で時間雨量50㎜の雨(車のワイパーは効かず、マンホールからは水が噴き出すほどの雨)の発生件数も年々増加傾向にある。異常気象が常態化し、雨の降り方が新しいステージに入ったことを認識して、危機感をもって取り組みを強化したい。

異常な豪雨から命を守るためには、ハードの整備だけでなくソフト対策が重要だ。危険な状況が迫っているという情報を的確に住民に伝え、適切な避難行動に結びつけていかなければならない。そのためにはまず、自治体の長が現場の状況を判断して発令する避難勧告や避難指示が重要になる。しかし例えば深夜の場合など、その判断はなかなか難しいのも事実だ。それがたとえ空振りになったとしても、「被害が出なくてよかった」と受け止められる意識の変革が望まれる。さらに、行政に頼るだけでなく住民が自ら判断して逃げるよう、これも意識を変えることが重要となる。そのためには、自分が住んでいる場所にはどういう危険があるのかを予め知っておく必要がある。ハザードマップを各世帯に配布するなど、地域の災害リスクの周知を進めることも必要だ。

ソフト対策の新たな取り組みとして、今年から国土交通省ではタイムラインの運用を始めた。台風では事前に進路の予測がある程度可能だ。このため台風上陸の3日前、1日前、12時間前といった時系列で、地方自治体や交通機関などがとるべき防災行動をまとめておくのがタイムライン。既にアメリカでは、一昨年10月にハリケーン・サンディがニューヨークを襲った際、事前に地下鉄を止めるなどして被害軽減に大きな効果を発揮した。日本でもタイムラインに従えば、余裕を持って昼間のうちに避難場所を開設したり、交通機関も運行見込みを予め知らせることで、スムーズに災害への備えができるだろう。

NO.74 新築と中古で質の高い住宅を/住宅と福祉の連携強化

2014年9月10日

全国で空き家が増加している。総務省から発表された最新の調査結果によれば、全国の空き家数は820万戸で住宅全体の13.5%。いずれも過去最高の数字だ。5年前と比べて63万戸も増加、20年前と比べると1.8倍にもなっており、高齢化や人口減少の進展でこれからも増加していくことが懸念される。しかも過疎化が進む地方部だけでなく、大都市の郊外や密集市街地などでも増加。全国共通、社会全体の問題として早急な対策が必要だ。

空き家が放置されて老朽化すると、景観が悪くなるだけでなくゴミの不法投棄や不審者の侵入、放火など、衛生、防犯面で周辺の居住環境悪化を引き起こす。こうした危険な空き家に対しては、全国で355の自治体が条例を制定して取り組みを進めている。私の地元の足立区でも、都内で初めて、老朽化した家屋の解体を助成する条例を2011年11月から施行して成果を上げているところだ。こうした取り組みを全国に広げていく必要がある。

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