政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.134 新たなステージの防災対策を/ハード、ソフトの整備が急務!

2019年11月 1日

20191014_094259.jpg台風19号は東日本全域に大被害をもたらした。死者86名、行方不明8名、家屋の倒壊5802棟、浸水した家屋は、床上浸水29,383棟を含め、じつに62,785棟に及ぶ(10月24日現在)。堤防の決壊は7県で139か所にもなる。これだけ広域にわたって被害を被った例は今までにないことだ。私の地元である荒川も水位が上がり、東京北区の水位観測所では、戦後でいえばキャサリン台風、狩野川台風に次いで3番目となる7.17mを記録し、隅田川を守る岩淵水門が12年ぶりに閉じた。日本を取り巻く気象は大きく変わった。50年に1回、100年に1回の大水害などと言っている場合ではない。新たなステージに入ったと見るべきだ。それに対応できるハード、ソフト両面にわたっての対策強化に全力を上げ、「安全・安心の国土づくり」にダッシュしないと大変なことになる。「脆弱国土を誰が守るか」――首都直下地震、東海・東南海・南海地震も含め、懸命な対策が不可欠だと心から思う。

今回の台風19号で考えなくてはならない第一は、その規模だ。明らかに、気象が従来とは異なり、海域によっては海水温が2~3度上昇、温暖化の進行が背景にある。10月12日、13日で大雨特別警報がなんと13都県に出た。この特別警報は、私が国土交通大臣であった時に、「注意報や警報では弱い。本当にいまだかつてない大雨だから、逃げないと危ない」との意識の下に、新しくつくったものだ。わずか5年前、当時は特別警報は1年に1~2回、それも複数の県にまたがる大雨というよりも、単一の県でおさまるほどの大雨がほとんどであった。「降雨が局地化、集中化、激甚化している」ということを背景にしてきたものだ。それが昨年の西日本豪雨では、岡山・広島・愛媛などの11府県と広域化した。広域化、激甚化だ。今回、なんと特別警報は東日本と東北の13都県に及んだ。

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