政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.137 建設業の職人の処遇を改善/設計労務単価を8年連続引き上げ

2020年3月 5日

2月14日、国土交通省は公共工事における職人の賃金である設計労務単価を、全国平均で前年度比2.5%引き上げると発表した。これは、私が国土交通大臣だった2013年度に、それまで15年間下がり続けていたものを約15%と大幅に引き上げてから8年連続の上昇であり、過去最高を更新する初の2万円超え。この8年間で、以前と比べ51.7%増の賃金となった。これが現場の技術者、職人さんに行き届くようさらに努めていきたいと思っている。

視察 女性①.JPG建設業は国の礎を築く大変重要な産業だ。社会資本の整備やその維持管理、老朽化対策を実施することは安全を確保するだけでなく、インフラのストック効果を発揮する「成長のエンジン役」でもある。また最近、とくに激甚化・広域化している災害の際に真っ先に駆けつけるのも建設業の方々だし、防災・減災、国土強靱化の取組みを進めていくためにも、建設業の力は大きい。

しかし、建設業の技能者は60歳以上の方が全体の4分の1を占める一方で、29歳以下の若者は10%強にすぎない。日本全体の生産年齢人口が減少し、全産業的な人出不足感の強まりから人材の獲得競争が激化している現在、建設業の将来の担い手の確保は大きな課題となっている。一人前の職人になるまでには5年から10年はかかることを考えると、団塊世代の大量離職という危機を迎える前に若い担い手を確保できなければ建設業の未来はない。このような現状を改善するためには、働きに見合った処遇となるよう賃金を引き上げ、意欲ある若者が誇りと自信を持って働ける環境を整備することが必要だ。労務単価の引き上げの意味は大きい。

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