政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO,85 良質・安全・安穏な住まいづくり/未来に向けた住宅政策

2015年8月23日

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「良質で、安全で、安穏な住まいづくり」──。私がこれからの住宅政策を考える上で掲げているキーワードだ。住宅は人生の大半を過ごす場であり、子育てやくつろぎの空間として重要な生活基盤。我が国が人口減少、少子高齢化、エネルギー制約の高まり、巨大災害の切迫、ICT(情報通信技術)の進歩などの変化に直面する中で、住宅についても中長期的な視点で考えることが重要だ。


まず「良質」という観点からは、省エネ性能に優れ、メンテナンスしやすく長持ちする住宅ストックを形成する。新築だけでなく、既存の住宅も質を向上していかなければならない。


次に「安全」については、耐震性、耐久性、防火性を備えた住宅を普及させ、地震などの災害に備えていく必要がある。


そして「安穏」。高齢者も含めたあらゆる居住者が安心して穏やかに暮らせる居住環境づくりだ。バリアフリー化のほか、建物の断熱性を向上させて温度差によるヒートショックを防止するなど、健康に暮らせるようにする。ICTを活用した見守りサービスも有効だ。医療・福祉・介護やまちづくりとも連携し、スマートウェルネス住宅・シティを実現していくというのがこれからの大きな方向性になると私は考えている。
 

このように良質な住宅ストックを形成し、将来世代に継承していくために大事なことはいくつもあるが、なかでも特に考えていかなければならないことが三点ある。


まず第一に中古住宅流通の促進だ。これからは世帯数も減少し、空き家も今の820万戸からさらに増加していく。このため、既にある住宅の利活用を進めていくことが重要になってくる。しっかりと建物検査(インスペクション)やメンテナンスを行い、リフォームを施せば、中古住宅も良質な住宅ストックとして市場で流通させることが可能となる。住宅性能表示を活用し、建物評価を的確に行えば、中古住宅を買う側にとっても適切な判断基準になる。「日本の住宅は新築後約25年で評価額がゼロになる」と言われているが、それでは短すぎる。欧米では、新築住宅よりも中古住宅のほうが数倍の市場規模だ。我が国でも、長く大切に使う住まいを実現していかなければならない。

NO,84 「18歳選挙権」がついに実現/若者の声を政治に反映

2015年7月23日

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「未来を担う若者の声を政治に反映」――。選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法が、6月18日に国会で成立した。公明党をはじめ自民党、民主党など与野党6党が共同提案したものだ。選挙権年齢の引き下げは、1945年の終戦直後に「25歳以上」から現行の「20歳以上」となって以来、実に70年ぶり。18歳選挙権は海外でも主流になっており、191の国・地域のうち、9割以上で既に18歳選挙権となっている。我が国も今回の改正で世界標準に揃うことになった。


18歳選挙権は、公明党が1970年代から45年以上にもわたって、国会質問で取り上げ選挙でも重点政策に掲げるなど、一貫してその実現を推進してきた。私も憲法調査会等で本格的検討を主張するなど、常に推進をバックアップしてきたところだ。多くの関係者の長年の努力が実を結び、画期的な制度改正が実現した。


18歳選挙権がスタートするのは、来年夏の参議院選挙からとなる見通しだ。新たに有権者に加わる18歳、19歳の若者は約240万人。全有権者の約2%だが、その意義は極めて大きい。社会の変化は激しく、目の前の状況に囚われた対応型の政治ではなく、長期を見据えた構想力をもって取り組んでいかなければならない。そのためには、未来を担う若者が将来について主体的に考え、政治に参加していくことが重要だ。


特に、急激な人口減少、少子化や超高齢化への対応だ。社会保障費はこれからも増えていくことが予想されている。2025年には団塊の世代が75歳以上になるという"2025年問題"が言われているが、団塊の世代が80歳以上になる2030年には医療や介護の負担がさらに大きくなっているだろう。こうした負担を担うことになる将来世代の声にもしっかりと耳を傾け、社会保障や税制などの課題に対応していかなければならない。

NO,83 進むアジアへのインフラ輸出/優れた技術力に高い評価

2015年6月24日

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日本のインフラ技術の世界展開が目立っている。特に、成長著しいアジアの新興国では道路、鉄道、港湾などのインフラが次々と計画され、整備が進められているが、高い技術力を持つ日本の建設企業が大きな推進力となっているのだ。


私も国交大臣に就任以来、ミャンマー、インドネシア、モンゴル、タイ、ベトナム、カンボジア、インド、トルコなどを訪問して関係大臣と会談し、インフラ経済協力を強く押し進めてきている。


特に最近、日本の高い技術力を世界に示すビッグプロジェクトの完成が相次いでいる。いずれも相手国側からたいへんな称賛と感謝が示されているところだ。


ベトナムでは今年1月、首都ハノイのノイバイ国際空港第2ターミナル、ニャッタン橋、空港と市内を結ぶアクセス道路が完成。相次いで行われた完成式典には私も出席した。この3つのプロジェクトは国際空港と都心に至る高速道路を一体的に整備する国家的プロジェクトだ。資金面で日本が支援したほか、日本の建設企業が工事を行い、死亡者ゼロ、工期も前倒しで完成させた。なかでもニャッタン橋は、東南アジア最長となる全長約1500mの連続斜張橋。同じ斜張橋の横浜ベイブリッジの約2倍の長さだ。5基の主塔がそびえ、片側3車線で路肩も広く、日本国内でもあまり例のない壮大なものだ。「日越友好橋」と名付けられ、まさに日本とベトナムの友好・技術協力の象徴となっている。


カンボジアでは今年4月、メコン川にネアックルン橋(つばさ橋)が完成した。昨年建設現場を視察した私にとっても、その完成はたいへんうれしいことだった。主橋梁は640mの斜張橋、取付け道路も合わせると5400mという規模だ。経済発展でこの地域の物流、交通量が増加し、従来は川を渡るのにフェリーが最大7時間待ちだったが、橋の完成で5分に短縮。工事は多数の不発弾処理、大洪水の発生などの困難があったが、日本の建設企業が見事に完成させた。


トルコでは一昨年10月29日、アジアとヨーロッパの境界であるボスポラス海峡で横断鉄道が開通した。これは、延長13.6㎞のトンネルを、陸側はシールド工法、海底部は沈埋工法で完成させたものだ。特に、沈埋函を海上から水深60mの海底に沈めて設置するのは難工事。海峡は潮の流れが速く、しかも上層と下層では流れの向きと速さが違うという悪条件にもかかわらず、最新の技術を使って正確に工事をやり遂げた。

NO,82 「道の駅」がマーケティング大賞受賞/地方創生の切り札として注目

2015年6月 4日

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「道の駅」が今、注目されている。全国の自治体で地方創生が大きなテーマとなっているなかで、地域活性化の切り札ともなっているのだ。4月21日には「道の駅」が「第7回日本マーケティング大賞」を受賞することが決定した。受賞者は全国「道の駅」連絡会だ。これはマーケティングの視点から最も優れたヒット商品を表彰するもので、大賞はその年で1つだけ。これまではユニクロのヒートテックやサントリーの角ハイボール、トヨタのアクアなど民間の商品が受賞してきた。公共の取り組みが受賞したのは「道の駅」が初めてであり、画期的なことだ。


「道の駅」は平成5年にスタートし、今では全国で1059か所までに広がった。年間の売り上げは2100億円とコンビニチェーンにも匹敵する規模。リピーターも多く、年間の来場者は延べ2億1000万人と言われている。それぞれの地域で特産品を活かした新たな産業を掘り起こし、近くの農家が出荷する採れたてで新鮮な農産品が好評だ。雇用創出や民需拡大に貢献し、成長戦略としてのインパクトも大きい。さらに最近では、インバウンドも含めた観光拠点、災害時に備えた防災拠点、中山間地の生活を支える役場や診療所を併設した「小さな拠点」など機能が多様化し、進化している。


今年2月、さらに広く全国展開していくことをめざし、特に優れた「全国モデル・道の駅」6駅、将来性の高い「重点・道の駅」35駅を選定。私から一つずつ認定証を手渡した。その後の交流会では、それぞれの特産品が並べられ、市町村長らが我がまち、我が駅を熱心にPR。会場は熱気に包まれ大いに盛り上がった。地域の創意工夫次第で人は呼べるのだ。

NO,81 インフラのストック効果に焦点/企業立地や観光など活発化

2015年4月28日

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公共事業は「選択と集中」が必要だ。財政制約がある中で、無駄なものは削り、必要なものはしっかり進めていく──。これが基本的な考えだ。特に私は、国交大臣に就任してこの2年余り、防災・減災、老朽化対策、メンテナンス、耐震化を公共事業のメインストリームに位置づけて取り組んできた。さらに、景気・経済の再生や地方創生、都市再生にも対応していかなければならない。


公共事業の効果を論ずる場合、これまでは経済対策としての即効性、短期的なフローとしての効果が重視されてきた。しかし私が大事だと考えているのは、社会資本が本来持つ効果を発揮することにより新たな投資、成長を呼び込む効果、いわばストック効果だ。このストック効果に着目する視点がこれまでは欠けてきたように思う。


例えば、道路や新幹線など交通ネットワークの整備により、移動時間の短縮や輸送コストの削減など生産性の向上をもたらす。さらに、企業立地による民間投資や雇用の増加、新たな観光交流が生まれるなど、中長期にわたって経済を成長させる効果が発揮されるのだ。景気・経済の再生が大きな課題となっている今こそ、社会資本のストック効果に重点を置いていかなければならない。


そのストック効果は、実際にも具体的に現れてきている。


例えば企業立地の促進。一昨年11月に開通した秋田県の日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の大館北・小坂間では、開通前から工場の新規立地や増設が相次いでいる。開通までの2年間で、27工場、200億円を超える設備投資が生まれた。新規の雇用も増え、大館市での高卒者の有効求人倍率は全国平均の2倍だ。日沿道では、新潟県村上市でも、航空機の化粧室や厨房など内装品を製造する国際的トップメーカーが全線開通を見越して進出している。

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