政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN
NO.177 個性と魅力を磨いて地方創生/観光・スポーツ・小さな拠点などに知恵!
「人口減少・少子高齢社会のなか、地方都市はどう活性化を図るか」「人手不足、原油高騰のなか、地方の産業はどう生き残りを図るか」――。この8月、9月、全国各地を何回も訪れ、「地方再生フォーラム」などに参加したが、抱える問題は共通し深刻化している。また8月末には宇都宮市のLRT(次世代型路面電車)開業式典にも参加。構想から実に30年、宇都宮と郊外の工業団地を結び、渋滞を解消し、新たな街づくりを行うもので、喜びが爆発する印象的な式典となった。地方創生・街づくりに、公共交通を再建することは、きわめて重要、全国に大きなインパクトを与えたと思う。トラック・バス・タクシーなどの2024年問題が課題となっているが、地方では高齢者の「足」がないことが、深刻になっている。地方の都市、町村それぞれの抱える問題は、違いを見せながらも共通している。岸田内閣は「デジタル田園都市国家構想」を目玉政策として掲げる。それをどう具体化して地方創生を図るか。総合的な戦略が大切だ。
その基本となるのは、私が国交大臣時代、2014年に打ち出した「国土のグランドデザイン2050~対流促進型国土の形成」だ。これは2050年を見据えて、我が国が直面する課題を克服し、未来を切り開く国土づくりの考え方を示したものだ。2050年には現在の居住地域の63%で人口が半分以下に減少、うち20%は無居住化するといわれている。このなかで、どう地方創生を果たすか――そのキーワードは「コンパクト+ネットワーク」。東京と同じような都市をつくるのではない。コンパクトに集約するとともに、個性ある都市をつくる。その個性ある都市と都市が連携し、人・モノ・情報が対流する国土づくりを目指す。各都市・各地域がそれぞれ個性を発揮して、違いがあるからこそ対流が起き、周辺との連携が始まるのだ。例えば私が先日、「フォーラム」に参加した愛知県豊橋市は農業も盛んで、自動車など製造業もある農工商バランスのある都市だ。それと産業の盛んな浜松市、リニアの駅もできる長野県飯田市を結んで相乗効果をもたらす狙いの三遠南信連携(三河と遠州と南信州)だ。今、着々と道路ができ、物流がより盛んになりつつある。
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