政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.191 「介護」「認知症」急増への対応急務/社会で支える体制への「勝負の10年」

2025年2月 4日

今年は昭和100年、戦後80年の節目の年。2025年は団塊世代が全て75歳以上となり、空き家が全国で約950万戸、認知症高齢者数が471万人、軽度認知障害(MCI)高齢者が564万人と推計されている。認知症は合わせると1000万人を超えることになる。そして10年後の2035年、団塊世代が全て85歳以上となり、団塊ジュニア世代は60歳を超える。いよいよ高齢社会の険しい山に向かうことになる。まさに介護の課題、認知症の課題にどう対応するか――。制度の改革、各人・各家族はどう備えるか。この10年は「勝負の10年」ということになる。

介護の現状はどうか。昨年8月時点で、介護が必要な要介護・要支援の認定者数は約718万人に及ぶ。65歳以上に占める割合は約20%となる。75歳以上になると要介護認定率は2倍以上になるといわれており、今後、要介護者が急激に増えると見込まれる。「すべての人が介護に直面する」「介護は急に訪れる(脳梗塞、転倒など)」「後遺症が残り、常時車椅子など家族の生活は一変する」ことを、健康の時から考えねばならない。高齢者の貯蓄格差は大きいし、しかも、単身世帯が増えており、頼れる人がいるか否かで明暗が分かれてしまう。そうした多様かつ深刻な介護急増の現実を直視し、備えに全力を上げるべき時が今だ。

介護施設①.JPGところが訪問介護をはじめとして人手不足が進んでいる。介護人材不足で介護事業所の倒産・休廃業が増え、2023年は過去最多。ヘルパーの高齢化、公務員ヘルパーの欠如、介護保険料の地域格差も大きい。介護報酬の引き上げ、介護従事者の処遇改善、医療行為ができる介護福祉士の拡大をはじめ、社会全体で介護を支えるための政策を財源も含めて総動員しなければならない。まさに要介護者急増に対する「勝負の10年」だ。

認知症高齢者の急増も大きな課題だ。今年、認知症高齢者数が471万人、MCIも加えると1000万人を超える。70歳代後半では10人に1人だが、80歳代前半になると10人に2人に増え、85歳からは実に10人に4人と急増する。90代前半になると10人に6人という。アルツハイマー型認知症が、脳の老化現象の現れと理解すれば、95歳以上になると10人に8人が認知症というのもよくわかる。

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