政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.127 全世代型社会保障の実現へ/幼児教育、高校授業料等が無償化

2019年4月 3日

3月21日からの知事選、29日からの道府県議選をはじめとして、平成最後となる統一地方選が始まっている。今年は皇位継承、G20、参院選、TICAD(アフリカ開発会議)、ラグビーワールドカップ、即位の礼、そして明年の東京オリンピック・パラリンピックと重要行事が続く節目の年だが、「東京オリパラの後も景気は大丈夫ですか」などという問いも多い。2020年の節目の前後4年間を任とする地方議員を選ぶ統一地方選の意義はきわめて大きい。

Hoiku04.jpg諸行事を成功させ、国全体の勢いを増すことはきわめて大切だが、足下の激変にしっかり対処することがより重要だ。とくに人口減少・少子高齢化、災害のレベルが上がっているという2つの大変化にどう対応するか。「待ったなし」といってよい。2025年問題――。団塊の世代が全て75歳以上になることが問題となっているが、私はもっと深刻に「全国で空き家が1000万件」「認知症が700万人」と予想される現実を直視することだと常々言っている。

今年の1月、通常国会の施政方針演説で安倍総理が冒頭に掲げたのは「全世代型社会保障への転換(実現)」ということだ。今から55年前、公明党立党の時、「日本の柱 公明党」「大衆福祉の 公明党」の垂幕が左右に大きく掲げられた。その「大衆福祉」が今、「全世代型社会保障」として政治の柱となったことは感慨深い。

この全世代型社会保障の実現の背景には、人口減少・少子高齢社会と安倍自公政権の6年間で、経済が成長し、来年度の税収が過去最高の62兆円を超えるという2つがある。社会保障の充実には、財源が不可欠だからだ。「成長と分配の好循環」――成長の果実を子育て支援、教育支援、雇用支援、高齢者支援に振り向ける。どの世代にも、一人一人を支える態勢をつくる、それが全世代型社会保障だ。昨年は、悪化を続けてきた子どもの相対的貧困率が初めて減少に転じ、増加し続けてきた現役世代の生活保護世帯もこの6年で8万世帯減少。待機児童も5年間で53万人分の保育の受け皿を整備し、昨年は10年ぶりに2万人を下回り、女性の就業は200万人増加した。周りを見ても実感できることだと思う。

NO.126 AI・ロボット時代に"考える力""理解力"/知識の教え込み教育は通用しない

2019年3月14日

AI.jpg「教育の深さが日本の未来を決定する」「『海よりも広いものがある それは大空である 大空よりも広いものがある それは人間の心である』とヴィクトル・ユゴーは言ったが、その人間の心を鍛え、耕し、育てるのが教育である」――。これは私が12年前、教育基本法改正の時の衆院本会議での発言である。教育の重要性は常に叫ばれる。しかし最近も「児童虐待事件」「いじめ」「子どもの貧困」などの問題は深刻化している。一方で、公明党が主張してきた「幼児教育の無償化、私立高校の無償化、一部であるが高等教育の無償化」の"三つの無償化"が今年ついに実現した。「全世代型社会保障」が前進し、児童手当拡充も含む教育支援が日本政治の重要な柱となってきたことを、「福祉の公明党」を50年にわたって推進してきた私としては率直に喜びたい。教育負担の軽減は日本の未来にとって、常に考え続けなければならない。

「AI・IoT・ロボット時代に活きる教育とは何か」――。私がこの1年、考え続けてきたことだ。AI・IoT・ロボットの急進展するこれからの社会。仕事がAI・ロボットに取って代わられる社会。その真っ只中で人生を送ることになる今の子どもたち。それではどういう幼児教育が大切となるのか、初等・中等教育はどうするか、いまや切実な重要問題だ。

昨年、数学者で国立情報学研究所教授の新井紀子氏の「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」が衝撃を与えた。AIが人類の明るい未来を築くような希望的観測を打ち破り、かつAI時代となるからこそ今の日本の教育でいいのかという痛烈な問題を突きつけた著作である。「AIが神になる」「AIが人類を滅ぼす」「シンギュラリティが到来する」――。いずれもそうならない、と指摘する。「AIは計算機ですから、数式、つまり数学の言語に置き換えることのできないことは計算できない (AIは徹頭徹尾数学だけでできている) 。私たちの知能の営みはすべて、論理と確率、統計に置きかえることができるかといえば、残念ながらそうはならない」「数学が発見した論理、確率、統計に決定的に欠けていること、それは『意味』を記述する方法がないということだ」「ロボットが中学生程度の常識や柔軟性を身につけて、日常のさまざまな場面で役立っているという未来像は、現状の技術の先には見えない」――。こうしたことを徹底的に突きつけたのだ。

NO.125 今こそ日本の文化・スポーツを発進/東京2020へ鋭いダッシュを!

2019年2月 9日

北区柔道2018.JPG今年は歴史的な年となる。皇位継承があり、5月から新しい元号、そして10月には即位の礼があり、世界各国から大統領・首相等が祝賀に出席する。そして6月にはG20、8月にはTICAD(アフリカ開発会議)等があり、混迷している世界各国の政治・経済の建て直しに結束して取り組むことになる。さらに9月からラグビーワールドカップが行われ、それが終われば、明年の東京オリンピック・パラリンピックまで一瀉千里となる。私は今年からの1年半、日本が政治的にも経済的にもダッシュをしなければならないと強く思っている。ましてやオリンピック・パラリンピック後、2025年、さらには2030年を眺望すると激しい構造変化に対応することが大事となる。それは1つには人口減少・少子高齢化社会、さらにAI・IOT・ロボットの急進展、この構造変化に対応してダッシュするということだ。またもう一つ加えれば、レベルの変わった自然災害の脅威に対して防災・減災・老朽化対策・メンテナンス・耐震化を行うということだ。

21世紀は人道の世紀、文化・芸術・スポーツの世紀を目指そうと言い続けてきた。しかし、なかなかそこに至っていない。とくに文化・芸術・スポーツの力は極めて大きい。その意味でラグビーワールドカップから東京オリンピック・パラリンピックまでの約1年、スポーツに力を入れ、日本のスポーツの力を大きく世界に発信するようにしたい。メダルを求めることは当然の心情だと思うが、「山の高さは裾野の広がりよる。裾野が広がってこそ山は高い」ということを噛み締めるべきだろう。地域での、また子どもたちへのスポーツ教育などの広がりが重要な課題で、各地域での野球やサッカー、各々の武道の裾野を大きく広げることが肝要であろう。

NO.124 若者が入る「新3K」の職場づくり/「入管法改正」で新しい共生社会を!

2018年12月 8日

外国人労働者を受け入れる出入国管理法改正案の審議が行われている。「人手不足問題」「外国人との共生社会」等、今後の日本に重要なテーマとなる法案であり、意義は大きい。

沼田2016①.JPG論点が多岐にわたり拡散しがちだが、全ての前提となるのは、政府の骨太の方針にある「生産性向上や国内の人材確保のための取り組みを行ってもなお、労働力が不足する分野に限り、外国人の新しい在留資格を設ける......」ということだ。つまり、まずやるべき第1は、日本の若者をはじめとする技能者が、働きたくなる職場を作る努力を徹底的にすることだ。そして第2に、現在海外からの技能実習生が28.6万人、留学生が32.4万人。これらの人が、それを名目として労働者として働き、劣悪な処遇とならないよう、制度を整理・充実させること。そして第3に今回の新制度をしっかりしたものにすること、日本語学校や受け入れ態勢を確立することだ。

今回は14の業種で外国人労働者の受け入れを拡大する。就労目的の在留資格「特定技能」を2段階で設け、一定の技能が必要な特定1号は試験に通れば在留期間は通算5年。特定2号は、さらに高度な試験に合格した熟練技能をもつ者で、配偶者と子どもの帯同が認められるうえに、更新時の審査など条件を満たせば永住への道も開ける。いずれも同じ分野ならば転職も可能となる。実習生の失踪が問題となっているが、転職が認められていないことも要因の一つだ。すでに海外からの実習生、留学生が約60万人もいて、働いたり、アルバイトをしていることからいって、法整備を急ぎ整えなくてはならない。

NO.123 増加する児童虐待事件/児童相談所・市町村の体制を強く深く!

2018年11月22日

東京・目黒区で3月、親から虐待を受けた5歳の女児(当時)が死亡した。「あしたはできるようにするから」「もうおねがい ゆるして ゆるしてください」とノートに書きつづった言葉は、あまりにも痛々しい。朝4時に起きてひらがなも覚えさせ、勉強ができないと食事も満足に与えず、暴行を繰り返したという。両親は、保護責任者遺棄致死罪で警視庁に逮捕されたが、児童虐待事件は「二度と繰り返してはならない」などという決意だけでは解決できない根の深い難しい問題だ。

児童虐待は増えている。児童相談所が受けた相談対応件数は、2016年度で12万2575件に及び、2000年度に比べて約7倍、最近は通報しやすくなったこともあるが、間違いなく急増している。相談経路は家族(8%)、近隣知人(14%)、警察等(45%)、学校等(7%)。児童虐待による死亡者も2010年度に98人、2015年度に84人、なかでもきわめて悲しいことだが、ゼロ歳児死亡が約半分、とくに「ゼロ日児(生まれた日に死亡)」が2割に及ぶ。

運動会【ぶちかまし用】.jpg背景には貧困、家族関係の変貌、就労の変化、外国人等ニューカマーの増加、ストレス社会等々、広くて重苦しい問題がある。現代社会の歪みだ。「児童虐待から考える」の著者・杉山春氏によれば、「児童虐待」の現場を歩いて見ると、社会の変貌や家族の変容が明確に顕れ、投影されているという。「貧困とその連鎖」「母子家庭の貧困の増加と根深さ」「安定した就労の困難さ」「家族としての凝集力の弱体化」「孤立化の進行」「離婚の増加」「性行動の活発化・性産業への一般女性の安き参入」「ネット、SNS等メディアの変化」「外国人女性等のニューカマーの増加」「ストレス過多の社会・人間関係」・・・・・・。多くの複合的要因がある。さらにそうした社会で生きる親の側にも「育てる力が乏しい親、それを支えられない社会」「助けを求めることを知らない親たち」「親としての過剰な『生真面目さ』」「"育児は母親だけの義務"という古い規範への過剰な従属」など、自らを追い詰める要因が見られ、かつ親自身が子どもの頃に虐待やネグレクトを受けた者が多くいる。八方ふさがりの行き詰まりだ。「残酷な親」とイメージするのは、表面的な一面にしか過ぎないという。

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