政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.144 「コロナ」「経済」対策に全力!/デジタル化など「働く」菅内閣始動

2020年10月 7日

菅内閣がスタートした。「働く内閣」「仕事師内閣」を掲げ、公明党との連立政権合意も行い、手堅い仕事をする閣僚の布陣も整えた。各世論調査を見ると70%前後の内閣支持率となり、国民の期待を集めている。「新型コロナウイルス対策と経済対策」が最重要課題だが、「携帯電話料金の値下げ」「デジタル庁の創設」「不妊治療への保険適用」など、目玉政策の実現を掲げている。きわめて具体的で身近な政策であることが特徴だ。

20201007_162644.jpg国民の望んでいるのは何といっても「コロナ対策」と「経済対策」だ。「コロナの収束こそ最大の経済対策」であることは、私が繰り返し述べてきたところだ。「コロナ対策」としては、これまで常に柱としてきた①医療支援②企業・事業主支援③生活・家計支援――を更に拡充していくことが大切となる。「医療支援」では、「PCR検査の更なる拡充」「病院での重症・軽症の受け入れ体制強化」「激務と赤字のダブルパンチを受けている病院・医療関係者への支援」「ホテル等、軽症者への宿泊・療養施設」など、これまでの経験に基づいて、次のコロナ拡大に備えることに集中している。なかでも、ワクチン・治療薬の開発・確保に国として力を入れている。日本では国内開発へ支援を行うとともに、米製薬ファイザーや英製薬アストラゼネカと提携、供給の基本合意をしている。また、ワクチンを途上国にも供給できるように、国際枠組み「COVAXファシリティー」に日本が参加。参加に伴う拠出金172億円を拠出することを閣議決定した。公明党が主導したもので、資本拠出をしてきた「ビル&メリンダ・ゲイツ財団」から「公明が政府決断へ決定打」との礼状が届いている。

「企業・事業主支援」は、雇用調整助成金、持続化給付金、地方創生臨時交付金、家賃支援、資本性ローンを含む資金繰り支援など、大きな一次・二次補正予算で対応してきたが、各企業はコロナの長期化で厳しい状況にある。現状をよく捉えて更なる対策を行なっていく。「生活・家計支援」も、コロナの長期化の影響は、秋から冬にかけて厳しくなると強い危機感を持っている。企業の業績悪化で、非正規労働者を中心に解雇や雇い止めが相次いでいる。雇用調整助成金、緊急小口資金や住宅確保給付金などの拡充を更にできるように頑張る決意である。

NO.143 「コロナ後の世界」の課題が見える/安全・安心志向、働き方改革など

2020年9月 4日

世界を覆っている新型コロナウィルス感染症――。今年の冒頭、私は「2020年代へのダッシュの年だ。東京オリ・パラ後こそ日本にとって大事だ」といい、①人口減少・少子高齢社会 ②AI・IOT・ロボットの急進展 ③気候変動などによる大災害――の3つの構造変化への本格的取り組みを強調した。「コロナ」で課題は変わったのか。コロナ後の世界はどうなるのか。エマニュエル・トッドは「何も変わらないが、物事は加速し、悪化する」という。私のいう3つの構造変化は変わらないが、加速し、逆に封じ込められていた矛盾が噴出するというのだ。

第一は、「安全・安心社会志向と生活様式の変化」が加速することへの対応だ。「三密」を避け、通勤・通学・仕事のあり方全般に変容を促す。明らかに会議はオンライン、在宅勤務制度が急速に進み、学校はGIGAスクールへの歩みが加速した。「働き方改革」が進み、それは「休み方改革」であることにも気付いた。それは戦後の「より早く、より遠く」「亭主元気で留守がいい」「モーレツ社員」型の社会通念が、「フィンランド人はなぜ午後4時に仕事終わるのか」(堀内都喜子氏)にあるように、幸福度二年連続世界一のフィンランドのような、「夜は家族とともに」「自身の豊かな時間をもつ」というような暮らし方を考えようとする動きである。「日本が戦後の再建に費やした経済成長へのエネルギーを、これからは『個人』『家族』『健康』に注ぎ込め」(リンダ・グラットン)という主張もある。災害の頻発もあり、ますます安全・安心社会を志向することは間違いない。気象変動は世界的なことであり、文明を地球環境重視へと着地させていく。ポストコロナの世界では、こうした地殻変動を絶対に見逃してはならない。

NO.142 「コロナ」「防災・減災」対策で安全・安心社会!/河川全体を捉える「流域治水」を

2020年8月10日

一昨年の西日本での「平成30年7月豪雨」、昨年の「令和元年東日本台風」に続いて、今年7月の九州を中心とする「令和2年7月豪雨」は、熊本県を中心に死者82名、行方不明4名(8月7日現在)、人吉市をはじめ球磨川の沿川の市町村では、多くの家屋が倒壊する等甚大な被害となった。この豪雨は九州だけではなく、島根県の江の川、岐阜県の飛騨川流域でも被害をもたらしたことも特徴である。同時の激甚化・広域化、ある意味で凶暴化だ。

「注意報、警報では弱い。逃げないと危ないと思わせる警報が必要」という問題意識で、私が国交大臣であった2013年8月「特別警報」をつくった。当時は年に1回、1県に出るか出ないかを想定していた。しかし、これも3年前から明確に変わった。「平成30年7月豪雨」では実に11府県、「令和元年東日本台風」では13都県に一度に発令された。今年も既に7県に発令されている。特別警報が発令されるような豪雨では、本川の水かさが著しく上昇し、支川からの水が本川に入れない、いわゆるバックウオーター現象が発生し、近年多くの被害が起きている。本川の水位を低下させて、支川を流入しやすくすること、合流部の堤防を強化することが求められる。

970467.jpgこれまで、「堤防を整備する」、「川底を掘る」、「川幅を広げる」、「放水路をつくる」、「ダム・調節池・遊水地をつくる」という手法を、流域の特徴にあわせ、最適に組み合わせて整備を行ってきた。最近の豪雨の凶暴化や今後の温暖化に対応するために、まちづくり、流域からの流出抑制、避難等のソフト対策まで組み合わせたものが「流域治水」である。治水の先人達が進めてきたように、川を強引に抑え込むのではなく、「川をなだめる」、「川をいなす」という手法である。昨年の「令和元年東日本台風」を契機として、この「流域治水」をコンセプトに、事業費約5,500億円からなる「7水系緊急治水対策プロジェクト」を策定し、現在整備を進めている。この7月6日には7水系だけでなく全国の109の国管理の一級水系で「流域治水プロジェクト」を策定することを打ち出した。流域での中長期的取り組みの意義は大きい。

NO.141 「コロナ」で変わる生活と社会/文明の弱点と逸脱の克服を!

2020年7月 6日

新型コロナウイルス感染症の第一波はひとまず回避したが、まだ油断はできない。100年前、世界を襲ったスペイン風邪は、1918年から三波にわたったが、最も甚大だったのは第二波だ。若干、収まりをみせた今こそ、「ウィズ・コロナ」「ポスト・コロナ」の布陣をガッチリと敷くことだ。2020年度第1次補正予算に続き、先ほど第2次補正予算を成立させた。第1次補正予算は、国の歳出25.6兆円、事業総額117兆円。第2次補正予算は、国の歳出31.9兆円、事業総額117兆円とかつてない規模のものとなり、「企業・事業主への支援」「家計支援」「医療・介護支援」を中心としているが、長期にわたる劣後ローンなど資本性資金を入れた資金繰り対策に力を入れている。この長期的視野をもって「ウィズ・コロナ」「ポスト・コロナ」への対策を打っているのが、第2次補正予算の特徴だ。

今も「コロナの収束こそ最大の経済対策」であることは言うまでもない。しかし、そのためにも「ウィズ・コロナ」「ポスト・コロナ」をどう生き抜くか、これが最大の戦略的テーマだ。世界的に第一波の大波を越えようとしており、生活スタイル、企業の活動、スポーツ・文化・芸術の展開は変化し、大いなる模索の時期を迎えている。100年に一度という災禍を受け、国民意識が大きく変化していることを見逃してはならない。東大教授で中国にも詳しい小原雅博氏は最近の著作でコロナの震源地ともなった中国の友人100人以上から取材し、「生活様式の変化(オンライン化の加速や健康と衛生の重視)」「価値観の変化(安全や自由といった基本的価値の大切さの認識)」「世界の構図の変化(米中関係悪化による衝突への危惧)」という3つの変化が伺えるという。濃淡はあるにしろ世界共通といえるのではないか。

NO.140 企業・家計・医療・災害へ全力支援!/感染症が突きつける文明的課題

2020年6月 5日

新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言が5月25日、全国で解除された。「新型コロナの感染拡大阻止」が、全ての最重要課題であっただけに、節目であり、新たなステージへのスタートである。しかし、「緩み」は禁物だ。とくに東京。第二波・第三波への警戒、そのための行動変容、深刻な打撃を受けている企業・事業主への支援、家計支援、医療支援等に全力を上げる決意だ。

この新型コロナの影響は甚大かつ深刻だ。しかもその根は深く、人間存在そのもの、営々と築いてきた人類、そして文明への逆襲でもある。感染症との戦いは長い。それは人類の歴史そのものでもある。人類が森林を切り拓き、農業を開始する。動物を家畜化する。言葉を使い、人と人とが交流し、集落を作り、都市をつくる。山極寿一京都大総長は、人類は「言葉+身体の接触」で信頼の社会をつくってきたが、そもそも「地球はウイルスの惑星であり、人間が主人公ではない」ともいえると指摘し、「地球環境を壊すと、閉じ込められていたウイルスが飛び出す可能性がある」と警告する。つまり、「三密」を避け「節度ある社会・経済活動」という「行動変容」「新しい生活様式」というのは、人類の築いてきた「人と人とが言葉で結びつく社会」「文明」「グローバルに人や物が移動する社会」に対する根源的な問いかけを含んでいるということだ。しかも、「自然環境の破壊、温暖化」「人と物の動くグローバル化」のなかで、感染症のリスクはつい隣りまで迫り高まっている。21世紀に入ってからも2002年のSARS、2009年の新型インフルエンザ、2014年のエボラ出血熱、2012年と2015年のMERS、デング熱や麻疹(はしか)も記憶に新しいところだ。この新型コロナウイルスとの戦いも山中伸弥京大教授のいうように「長期にわたる戦い」であることを覚悟するとともに、他の感染症が迫っていることへの備えが必要だ。それを迎え撃つ体制を医療だけでなく、社会体制、生活様式など全てにわたって整えなくてはならないことになる。目の前の深刻な現実の課題と、長期の課題を凝視して、体制を整えることが今、世界レベルで重要となっている。

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