政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.152 「コロナ」「災害」「オリ・パラ」に安全・安心!/仕事をするのが政治家の役割

2021年7月 1日

7月を迎え、目の前には直面する課題と不安がある、私は「仕事をするのが政治家の役割」「政治は結果」「徹底して現場を走れ」「直面する課題に正面から取り組む」を信念として貫いてきたが、今、打開すべき課題は多い。まず「新型コロナ」――。621日から沖縄を除いて、東京、大阪をはじめとして「緊急事態宣言」から「まん延防止等重点措置」に切り替えたが、東京などは前週の感染者数より増えている。ゴールデンウィークに徹底して「人流を止める」ことに力を注いだが、その後、人流が増加傾向にあり、それが今、東京などの感染者数の増加となっている。加えて感染力が強いというデルタ株が増え、広がり始めた。危険な兆候だ。感染対策・人流抑制の強化が大切だ。

ワクチン接種会場.jpg一方、ワクチンの接種は、かなり加速している。5月からの各自治体における集団接種に始まり、6月からはかかりつけ医などの個別接種が本格化し、621日からは職域での接種が開始された。国・県の大型接種会場も加わった。7月末には65歳以上の接種がほぼ終わる。6月末からは各自治体での65歳未満の接種が開始された。各自治体、医師・看護師、オペレーションをする事務担当の方々には、大変は尽力をいただいている。ただ、接種する人数が想定と違っていたり、ワクチンの供給能力が不足するという見込みが流れ、現場が混乱することがある。政府は、諸々の打出しに、「現場がどうなるか」を考えて慎重を期すことがきわめて大事だ。バタバタ感が出て一番困るのは現場を担う人たちだ。

NO.151 ワクチン接種の加速化に全力!/「変異株」「国産開発」に中長期戦略を

2021年6月 1日

ワクチン接種が始まっている。接種を担う市区町村では、5月のゴールデンウィーク明けから高齢者への予約が本格化された。75歳以上を先行させた自治体も多い。当初は「予約の電話が通じない」「ネット予約に不都合が生じた」などの苦情が殺到したが、翌週からは「予約ができて安心した」という声を聞くようになり、落ち着いてきたことを現場を歩いて実感する。「高齢者3600万人への接種を7月末までに完了する」「1100万回の接種」を政府は目標として掲げている。今年1月に、感染者が16万人にも及んだ英国は、ロックダウンでもなかなか収束しなかったが、ワクチン接種が進んだ今、日常を取り戻しつつある。米国でもイスラエルでも、ワクチンが"収束の切り札"となっていることが明らかだ。

20210601_104630.jpg現場から見ると、各自治体の懸命な姿勢が目立っている。何よりも医師・看護師との連携、そして会場の確保、さらに一人でも多くの方々にスムーズに接種できる工夫の数々だ。予約の受付回線を増加させることは、多くの自治体が取り組んだところだが、「区の施設に職員を派遣し、相談と受付を行う(足立区)」「コロナ禍で仕事が急減している旅行会社に予約受付を代行してもらう(荒川区)」などが工夫され、予約が進んでいる。また「要介護者の送迎に地元タクシー会社を使い、無料で接種できる(北区)」「要介護者等に訪問接種を行う"ドクタータクシー"の仕組みをつくる(荒川区)」など、私の地元周辺での各区の取り組みは多彩で知恵を絞っている。高齢者へ2回接種するワクチンの必要量7200万回を大幅に上回る量を6月末までに届けるメドが立っていることと、集団接種だけでなく「かかりつけ医での個別接種」が6月から本格化する自治体も多く、いよいよワクチン接種の加速化が実感できるようになると思う。

NO.150 デジタル社会で必要な人間の力!/「読解力」「共感力」「想像力」を鍛えよう

2021年5月 3日

GIGAスクール①.jpgデジタル化が遅れているといわれる日本だが、今回のコロナ渦でその弱点が露わになっている。各種支援金の支給においても、ワクチン接種・医療の場面でも、日常化するテレワークでも、デジタル化の緊要性が目立つようになった。「デジタル社会・AI時代」「デジタル庁」「DX」「GIGAスクール構想」「デジタル教科書」......。テクノロジーが「便利」「効率」とともに社会全体の革新をもたらし、弱点克服は急務だ。「デジタル敗戦」とまでいわれる日本だ。DX、デジタル社会を加速することは最重要の課題であり、日本にこれまで伝わってきた慣習や論理立てを変える大きな意識改革が求められている。一方、それが進むがゆえに、人間そのものへの影響も考えるべきことだ。「AI vs 教科書が読めない子どもたち」(新井紀子著)、「デジタルで読む脳×紙の本で読む脳」(メアリアン・ウルフ著)、「スマホ脳」(アンデシュ・ハンセン著)などがベストセラーとなり、デジタル社会・AI時代への警鐘を鳴らしている。いずれも「読解力」「共感力」「分析力」「学習効果」などの点で、デジタル化が人間形成、頭脳等に与える問題の指摘だ。

「デジタル教科書」については先般、文科省の有識者会議がデジタル教科書の活用についての中間報告をまとめ、2024年度を本格導入の契機と位置づけた。整理すべき論点は多く、十分な課題検証、慎重な検討が必要だ。各自治体・学校現場では「長時間利用による健康被害」「目や脳への影響」「教員のICT指導力不足」「学校内外の通信環境」「費用負担」など、多くの不安が寄せられている。しかし、より根本的な問題は「思考力や判断力の基礎となる学力」「学習効果」の問題であり、精神科医のアンデシュ・ハンセン氏も「自国のスウェーデンでは学習効果が落ちた」といい、数学者の新井紀子氏も「デジタル教科書の便利な機能によって、読解力の育成が阻まれる恐れがある」と問題を投げかける。副教材として、デジタル教材を使えばいいと、誰しも考えるだろうが、新井氏は「理科の実験の手順を動画で理解ができても、文章では理解できない子どもが育つ可能性がある。数学の多面体の回転や展開図も、動画を見れば頭でイメージする必要がなくなる。手を動かして実験を行い、紙に向かって考えながら作図や計算をする活動が大切だ」と指摘している。現在進んでいる11台の端末を学習に有効利用する「GIGAスクール」には賛成だが、デジタル教科書については、慎重な検討が求められるということだ。

NO.149 注目される「木材」の利用/中高層建築も本格化

2021年4月 9日

「木材」が注目を浴びている。今、大都市で中高層の木造建造物が建設されたり、地球温暖化対策で森林が重視されたり、「山を買う人が増えてきた」というニュースまで報道されている。大事なことだし、うれしいことだ。

我が国は、戦後に植林されたスギやヒノキが成長し、使い頃を迎えている。木材の利用については、私も国土交通大臣時代に力をいれてきた。例を上げれば、小学校について、木造3階建ての学校を建てやすくするため建築基準法を改正し、富山県魚津市などで個性的な木造校舎が建てられてきている。木の空間は人の健康や心理面によい影響を与えるものであり、教育施設で木材利用を進める意義は大きい。

また、我が国は2050年までに温室効果ガスの排出と吸収のバランスをゼロにする「カーボンニュートラル」をめざしている。木材は、鉄やコンクリートに比べて作るときに排出する二酸化炭素が少ないことに加え、多くの建築物で木材を大量に使うことで"炭素"を貯蔵する効果もある。

足立.jpgまさに今、東京や仙台などで、中高層あるいは大規模な木造建築物をつくる動きが始まっている。私は、2016年に、日本最大級の木造5階建ての建築物(特別養護老人ホーム)が地元の東京都足立区花畑で建てられていて視察した。先日も銀座で建設中の日本初の2時間耐火の12階建て商業施設を視察した。とても美しく、心地よい。この5年間に、地震や火災に対する安全性検証の試験なども経て技術開発が進んできたことはうれしい限りだ。

NO.148 東日本大震災10年、復興を更に!/「風評・風化」の2つの風と闘う

2021年3月 8日

1がんばろう石巻3.jpg2011年311日の東日本大震災から10年の節目を迎えた。M9.0、震度7、東北から関東にかけて震度6強から6弱を観測。死者19729人、行方不明2559人、住家の全壊121996棟、半壊282941棟。さらに地震・津波によって東電福島第一原発の事故が発生、生活も街も産業も壊滅的打撃を受けた。被災者にとっては、生涯消えることのない心奥までの深い傷を受け、原発では"内心被曝"に怯え続けた苦悩を何度も聞いた。「復興の闘いは更に続ける」「風評と風化の二つの風と闘い続ける」――この10年の節目に更なる決意が大事だと思う。地震・津波被災地域においては「復興の総仕上げの段階」、原子力災害被災地域では「復興・再生が本格的に始まった段階」と政府はとらえ、司令塔である復興庁を更に10年延長して全力で取り組んでいく。

力を入れるべき第一は「被災者支援」だ。発災直後に造られた応急仮設住宅への入居者は最大31.6万人に及んだが、災害公営住宅などの建設もあり、地震・津波被災地域においては今年度には仮設生活が解消される見込みだ。生活・住宅再建の進捗に伴う多様な課題に対応するため、相談支援、生きがいづくり等の心の復興、子ども達への就学・学習支援等のきめ細かな支援策、見守り・心身のケア支援、県外避難者支援等を「被災者支援総合交付金」を活用して行っていく。「きめ細かさ」と「切れ目のない」支援が大切となる。

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