政治コラム 太田の政界ぶちかましCOLUMN

NO.145 企業・生活者の「困窮者」を支援/コロナ対策と経済浮揚策に全力

2020年11月 7日

臨時国会が始まった。菅政権として初めての本格論戦だ。課題は極めて明確。コロナ対策、そして経済活動を促すための方策だ。これまで「医療支援」「企業・事業主支援」「生活・家計支援」を3つの柱として対策を打ってきた。「医療支援」としては、ワクチン・治療薬の開発確保と、激務と赤字のダブルパンチを受けている病院・医療関係者への支援をより具体化していくことだ。「企業・事業主支援」では、雇用調整助成金の特例延長や、家賃支援、資金繰り支援で、より現場に行き届くよう措置をとる。「生活・家計支援」も緊急小口資金など、更なる拡充に力を入れていく。

大事なことは、「コロナ」の長期化により、全体的に「堅調なところ」「軽症のところ」「重症のところ」が、くっきりと色分けされてきたことだ。「このままでは正月が迎えられない」という企業と生活者に焦点を当てて、その"困窮者"を救うことと、全体の経済を戻すべく景気浮揚・需要喚起策に力を注ぐことだ。"困窮"している企業・生活者をバックアップすることは公明党の責務だと思っている。

生活の"困窮者"支援は、年末から来年初頭にかけて極めて重要だ。企業の業績悪化で、非正規労働者を中心に解雇や雇い止めが相次いでいる。パート収入も急減している。一方で自殺者が増えている。年末のボーナスは激減が予想される。テレワークが進む一方で、残業代は当然減る。日本全体では可処分所得が減り、消費が低迷し、経済全体がスパイラル状に縮んでいく。これを脱する為には、国が前面に立って"困窮者"を支援する積極財政を更に進めること、災害が激甚化・広域化していることを直視し、インフラ整備等も集中的に行うことが重要となる。

緊急小口資金と住居確保給付金の更なる拡充も不可欠だ。私はセーフティネット住宅の家賃低廉化ができるように、国交省にも地方公共団体へも働きかけをしているが、"住む家を確保"という最も基本的なことが揺らぐようであっては、先進国家として"コロナに負けた"ことになってしまう。賃貸人による公募手続きを除外し、居住する住宅をセーフティネット住宅としてそのまま居住できるようにし、国と市町村各2万円の補助限度額を拡充できるようにしたい。仕事を失った親への支援、受験等で支出が多く困窮している家庭やアルバイトができない大学生など、幅広く"困窮者"への支援をしていきたい。

「コロナ」の長期化により航空業界や観光バス業界等の大変さがますます顕著となっている。「三密」を避けることが、対コロナの基本戦略であることから、「文化・芸術・スポーツ」「観光・旅行・イベント行事」「飲食・会食行事」等が、極端なダメージを受けている。「人と人とが接触・交流する」というのは、人間の本質的なものであり、豊かさでもあり、まさに「"コロナ"は人間・文明への逆襲」である。「文化・芸術・スポーツ」支援は、この5月以来、第二次補正予算にも多額な支援策を入れたが、業種形態が多岐・複雑であることもあり、十分な執行ができていない。政府ももっと適用の柔軟性に心を配るべきで、繰り返し指摘している。「観光」はGoToキャンペーンが徐々に支えになってきている。来年の131日迄が一応のメドとなっているが3月末、更にはゴールデンウィーク後までの延長は不可欠だ。「飲食」業などについても、家賃や持続化給付金等のこれまでの対策を拡充することの検討が必要となる。長期化しているために、前年比で3割減の売り上げが続くとボディブローは計り知れないからだ。

「スポーツの秋」「芸術の秋」「食欲の秋」と言われる秋本番を迎えている。しかし、学校の運動会も大小の文化・芸術祭(地域や町会単位で毎年行われていた)も、友人と「食」をはさんでの楽しい懇談にも制約がある現状だ。活字離れで「読書の秋」もままならない状況である。少しでも早く「豊かな人間社会」を取り戻すように頑張りたい。

「働く内閣」「仕事師内閣」と称する菅政権。「デジタル庁の創設」「携帯電話料金の値下げ」「不妊治療への保険適用拡大」は、公明党が長く主張してきた政策で、実現が極めて重要だが、「コロナ」の長期化によって生じている企業と生活者の"困窮者"対策を、より鋭角的に進める決意だ。

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