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文化芸術へ緊急支援

2020年8月 3日

前例なき予算 560億円 
稽古や公演などを後押し 
裏方を含む個人も対象に

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「収入がゼロになった」「役者の道を諦めようと思う」。新型コロナウイルス感染が拡大し始めた2月26日、政府の要請でイベント自粛が相次いだ。活動の場を失った文化芸術関係者から寄せられた悲痛な声に、公明党文化芸術振興会議議長で衆院議員の浮島智子は胸が締め付けられた。バレリーナとして、米国に活動拠点を移した頃、ビザを巡るトラブルで活動が制約され、経済的にも困窮した実体験があるだけに、一言、一言が身に染みた。

「日本の"文化芸術の灯"を消してはならない。人々がコロナ禍から立ち上がる力になってくれるはずだ」。浮島は、党代表の山口那津男や党幹事長の斉藤鉄夫、同会議顧問で全国議員団会議議長の太田昭宏ら党幹部と共に、音楽やバレエ、劇作家、ミニシアターなど各分野の関係者から"生の声"を聴き、支援策の方向性を探った。共通して寄せられたのが、活動継続への熱い思いだった。「公演再開に備え、何としても稽古を続けたい。でも、資金が不安だ」

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2020年度第2次補正予算案の編成が取り沙汰され始めた5月初旬、浮島は、活動継続支援策の具体化に着手した。

団体だけでなく、従来は支援対象にならなかった個人も広く補助金の支給対象とする総額500億円規模の支援策のたたき台を作成。同会議副議長で衆院議員の富田茂之や、超党派の文化芸術振興議員連盟会長で自民党衆院議員の河村建夫らと討議した。5月19日、浮島は自身のたたき台をベースにした提言案を富田や河村らと共に、文部科学相の萩生田光一へ申し入れた。

萩生田は全面的な賛意を示し「文科省としても頑張りたい」と述べたが、実施を明言しなかった。無理もない。提言が求めた予算規模500億円は、毎年の文化芸術関連予算の半分にも相当し、補正予算案の要求額としては前例のない規模だったからだ。

浮島は、関係者の苦境を思うと決して譲れなかった。財務省幹部と会い、第2次補正予算案への計上を迫った。しかし、財務省側は事業者の事業継続に向けた「持続化給付金」などで対応できるとの認識だった。

浮島は、同給付金などの対象から漏れる関係者が少なくないこと、裏方なども対象に含めるために500億円規模の支援が必要なことなどを自らの体験も交えて必死に訴えた。斉藤らも政府に働き掛けた。

その結果、5月27日に閣議決定された第2次補正予算案には、稽古場の確保や公演などを支援する総額560億円の「文化芸術活動への緊急総合支援パッケージ」が計上され、6月12日に成立した。日本劇作家協会会長で女優の渡辺えり氏は5月30日付の本紙にコメントを寄せ、関係者の苦労に寄り添い、その声を代弁してきた浮島の行動に謝意を表明し、こう述べた。「公明党は、日本の文化芸術が直面する窮状を理解し、粘り強く財源確保などに当たってくれた」(敬称略)

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