屋根をかける人.jpg明治38年、24歳で来日した米国人の建築家・実業家のウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880年~1964年)。近江八幡を拠点としてキリスト教の伝道の活動とともに、日本全国で数多くの西洋建築をてがける。さらにヴォーリズ合名会社を設立。メンソレータムを日本に普及されるなど、幅広い活動を展開。日米関係が悪化するなか、戦争に突入。華族の身分を捨てて結婚した妻・満喜子とともに厳しい立場に立たせられる。

しかし、日本を、近江を、接した多くの日本人を愛したW.M.ヴォーリズは、1945年9月、天皇制存続(神ではない)に大きな役割を果たすことになる。メンタム、広岡浅子、満喜子の兄・広岡恵三、種家、マッカーサーと近衛文麿との仲介、昭和天皇との出会いなど、数奇な生涯が描かれる。「日米の架け橋」というより、「建築家・ヴォーリズは、日米に大きな屋根をかけた」のだ。


月の満ち欠け 佐藤正午著.jpg「万が一、自分が命を落とすようなことがあったら、もういちど生まれ変わる。月のように。いちど欠けた月がもういちど満ちるように。そしてあなたにサインを送る。そのサインに気づいたら、生まれ変わりを受け入れてほしいと彼女は言いました」――。三角哲彦(アキヒコ)をめぐっての愛の美しさと深さと強さが時間を追って繰り返される。正木瑠璃との恋愛、その生まれ変わりの小山内の娘・瑠璃、緑坂ゆいの娘・るり、そして小沼希美(本当は瑠璃)。正木瑠璃が死んだ年に小山内瑠璃が生まれ、小山内瑠璃が死んだ年に希美が生まれ・・・・・・。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」と「前世を記憶する子どもたち」(生まれ変わりを思わせる事例についての著作)――この2つが繰り返され主旋律を奏でる。三角とそれぞれの瑠璃の愛の深さが時空を越える。とまどう周りの人々。しかし、こうしたことはあるとしみじみ思う。生命の輪廻転生、人の邂逅、縁とか天を感ずる世界。不思議としか思えない縁の深まる実感、生老病死の因果・・・・・・。その縁とか天という世界を感じられるかどうか。それが「生老病死の気づきの哲学」であり、人生の深さだ。そうした世界を悠久なる宇宙の美しくも厳しい「月の満ち欠け」として描く卓越した小説。


誰もボクを見ていない.jpg2014年、埼玉県川口市で起きた70代の老夫婦殺害事件。逮捕されたのは孫の17歳の少年で、「金目当てだった」と供述した。閉鎖された母子の異常な生活空間のなかで「殺してでも金を借りてこい」との母親からの執拗な脅迫が明らかとなった。幼少期に両親が離婚、小学5年から長期にわたって学校にも通わず、ホテル暮らしや野宿生活を強いられて転々。極度の貧困、ネグレクト(育児放棄)、虐待(身体的・心理的・性的)、過酷な生育環境が少年を押し潰す。行政が居場所を把握できない「居所不明児童」だった。

「なぜ事件が起こったのか」「誰か、途中で救いの手を差し延べ、止められなかったのか」「頻発する衝撃的な少年犯罪、彼らを救い出す方策はないのか」――記者が丹念に取材した。重く、苦しいが、少年の手記には「一歩踏み込んで何かをすることはとても勇気が必要だと思います。・・・・・・やはりその一歩は重いものです」とある。「子供に関心をもつ」「あっと何か思った時に一歩踏み込む」。山寺さんは「どんなに同情したり心を痛めたりしても、行動を伴わない『善意』には現実を変える力はなかったのだ」という。「面倒なことに関わりたくない」「善意を行動で示すのが苦手の国民性」「原因を公的機関の対応に帰結させて批判だけしがちな社会」のなかで、「行動に移す努力」を考えさせられる。


「司馬遼太郎」で学ぶ日本史.jpg「竜馬がゆく」「翔ぶが如く」「坂の上の雲」の三大長編。「国盗り物語」や磯田さんが最高傑作という「花神」。さらに『「明治」という国家』『「昭和」という国家』「この国のかたち」・・・・・・。「司馬史観」と「司馬人間学」。「戦国時代は何を生み出したのか」「幕末という大転換点」「明治の理想はいかに実ったか」の章を経て、司馬遼太郎が「異常な時代、鬼胎の時代と呼んだ昭和前期」を通じて日本の歴史と日本人の精神と国家の成功と失敗を俯瞰する。

「信長、秀吉、家康の三英傑をどう見るか」「革命の三段階(新しい価値の創出者・予言者としての吉田松陰が現れ、次に高杉晋作のような実行家・革命家が現れ、最後にその果実を受け取る山県有朋のような権力者が生まれる。そして革命は腐敗が始まる)」「信長の合理主義をさらに発展させたような大村益次郎」「合理主義者が革命的勝利を収め、その合理性やリアリズムを失った時に組織はダメになる」「明治は、リアリズムの時代でした。それも透きとおった、格調の高い精神でささえられたリアリズムでした(「明治」という国家)」「福沢諭吉の言葉に『一身独立して一国独立す』というものがありますが、自分がきちっと自らの商売や役割を果たすことで、『一国独立』、つまり国はきちっと回っていく」「明治の日本には弱者の自覚、ある種の謙虚さが残っていた」・・・・・・。

明治人が苦労してつくり上げた国家は日露戦争後から暴走を開始し、昭和前期を経て敗戦に至る。「国家と人間」の歴史、「おごり」とは何か、を考える。


夏祭り(赤羽南) 170708①.jpg 夏祭り(赤羽南) 170708②.jpg

急激に暑くなりましたが、いよいよ夏のお祭りが始まりました。8日、地元北区赤羽では、たくさんの子供たちが元気に参加し、七夕まつりが盛大に開催されました。

また、7日には、豊島区大塚で駅前広場を利用して地元商店街による「夏のガーデン2017」が開催され、多くの方が集い賑わいをみせました。

多くの方々と懇談ができました。暑いなか、準備をしてくださった地域の方々に心から感謝いたします。

大塚 170707①.jpg

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任、公明党前代表。元国土交通大臣、元水循環担当大臣。

現在、衆議院議員、党全国議員団会議議長、東京第12総支部長、首都直下地震対策本部総合本部長、現代中国研究会顧問など。

太田あきひろホームページへ

カテゴリ一覧

最新記事一覧

月別アーカイブ

上へ