IWGPシリーズも18巻目になる。次々と起きる、変化する社会の問題に、マコトとタカシが立ち向かう。自由自在の知恵が問題を解決する。常に新鮮で面白く痛快だ。まさに私の地元、豊島区池袋、北区滝野川、板橋区が舞台だ。
今回は4つの短編。「常盤台ヤングケアラー」――。母は大山のスナックで働き、認知症のうえ脳梗塞となった祖母を中三の春ごろから介護するヤングケアラーのサチ。介護で休学中の女を狙い、夜の池袋でつきまとう風俗アプリ専業の男たち。「アプリ狩り」に動くタカシたち。
「神様のポケット」――。留学生も含む外国人労働者の多い池袋。バングラデシュの好青年クマールが、「賽銭泥棒」として逮捕される。真犯人をとらえるべく奔走する。
「魂マッチング」――。ゼロワンがマッチングサイトで付き合おうとした女性は、美人局を手広くやっている兄弟の手駒にされていた。
「ペットショップ無惨」――。悪辣なペットショップ、その背後にある「ゆりかごから墓場まで」を謳うペット総合ビジネスと戦う動物愛護団体。その依頼を受けたマコト。県立の動物愛護センターで殺処分の実態を見て言葉を失う。帝王切開後に放置された犬、不安症で壊れた犬、子どもを産む機械に変えられた犬。「この可愛くて残酷な世界。ビジネスという名のもとに、命を売買しているおれたち人間。おれはこれまでと同じ目で、ペットショップを見られないだろう」「人間ならダメで、動物ならいいなんていい草は、もう今の時代には通らない」と描く。