角田光代、林真理子、藤沢周、堀江敏幸、町田康、三浦しをんが編集委員。ちょうどコロナ禍の2022年8月に発行した75のベスト・エッセイ。
「落合博満への緊張感(鈴木忠平)」「月の砂漠(小池水音)」「陰のある光(小泉凡)」「脳内ドイツ(マライ・メントライン)(職業はドイツ人)」「心の扉を開く言葉(寮美千子)(空が青いから白を選んだのです)」「佃煮に思う(小泉武夫)「白土三平さんを悼む(田中優子)」「そんな時代(海猫沢メロン)(私は心からこの時代が早く終わることを願っている。しかし、それよりも先に私の人生が終わるのは間違いない)」「ともに歩けば(小川さやか)(タンザニアで驚いたことのひとつは、友人たちが道に迷わないことだった)」「田中邦衛さんを悼む(倉本聡) (戸惑い方の絶妙さが人間喜劇の爆笑を呼んだ。『人生――人の行動は、アップで見ると悲劇だが、ロングで見ると喜劇である』とはチャップリンの至言)(今は、お笑いはおふざけに堕してしまった)」「エリック・カールさんを悼む(松本猛)」「月みる月は(彬子女王)」「トーストと産業革命(青山文平) (大人物ではない個人が様々な環境変化に直面して、もがきながら生きていく様を描きたい)」「考えることに失敗する(神林長平)」「悪態俳句のすすめ(夏井いつき)」「死も遊びだと思いましょ(横尾忠則)」「『やめた』後の達成感(ほしよりこ)」「息子よ安心しなさい、あなたの親指は天国で花となり咲いている(青木耕平」「愚かさが導いてくれた道(沢木耕太郎)(あなたは不幸な人ですね。子供の一番いい時を見なかったのですね)」「愛しの小松政夫さん(鈴木聡) (人間なんてバカバカしいよね、だけどそこが面白いよね、そこが好きなんだよね)」「『老人と海』をめぐる恋(高見浩)」・・・・・・。
どれもなるほどのベスト・エッセイ。「なるほど」「えっ、意外」「心から同感」「それが原点となったのか」「そんな見方があったのか」・・・・・・。楽しく、心に響いた。