不況は人災です!.jpgデフレが続いている。それはケインズ理論でもなければ新古典論でもない、新しい現代のケインズ理論を必要とした。

「流動性選好」という何も買うものがなくても人々はおカネを欲しがる。脱デフレは人々がおカネをあまり持ちたがらないよう、使うモノを買うように、予想を変えるぐらいの金融緩和をし、インフレ予想を作り出す。脱デフレの「リフレ論」だ。

2003年の景気回復――輸出増は誰でもわかるが、何が設備投資の増加をもたらしたか。

予想インフレ率が上がり出した。ゼロ金利政策、量的緩和、巨額の円売り介入。それは90年台終わりごろからの「流動性のわな」の状態から脱し、インフレへの反転を予想することになった。


名字と日本人.JPG29万種といわれる日本人の名字。

古代の農民は大伴部、日下部などの姓をもっていたが、鈴木、佐藤といった武士が広めた名字を代々伝えるようになった。

名字の発生は平安時代の末、武士の登場と鎌倉幕府の成立にかかわる日本史上の重要な出来事である。

「氏」「姓」「名字」「苗字」・・・・・・。

北条時政の名字は「北条」、姓は「平朝臣」、つまり朝廷の公式の行事の場では「平朝臣時政」となる。

全国の名字を調べあげ、それはまた日本の歴史そのものを調べあげるという大変な仕事を武光さんはやってくれている。


漢字の相談室.JPGのサムネイル画像「漢字は漢の時代より千年も前から使われ、漢というのは、漢民族の漢」、道とか近は私は「しんにゅう」と習ってきたが、「二点しんにょうが伝統的には正しかった」「虹・蛸・蛤などはムシヘンでは変な感じがするが、虫は『むし』ではなく『マムシ』という動物を表す漢字だった」―などなど。

漢字クイズなどがデレビをにぎわしているが、阿辻さんは、そんな次元とは異にして徹底して学問的に調べあげている。すごい。最後に「知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす、これ知るなり」(論語)をあげ、未解明の領域に迫力をもって迫っている。

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忘れられた日本人.JPG宮本常一(つねいち)氏は、1907年(明治40年)の生まれ。昭和14年以来、全国の離島や辺地をくまなく歩き、独自の民俗学を築いた。

文化を築き支えてきた伝承者・老人達自身が語ることを、丁寧に克明に描き、生き生きと蘇らせている。1960年の本で、宮本民俗学の結晶だ。

私の生まれたすぐ近くの北設楽郡旧名倉村が「名倉談義」として出てくるが、地名も土地柄もなるほどと思わせるもので、当時の田舎の生活そのものが描き出されている。民衆史、民俗学そのものだ。

「私の一ばん知りたいことは今日の文化をきずきあげて来た生産者のエネルギーというものが、どういう人間関係や環境の中から生まれ出て来たかということである」と宮本氏はいう。

「中央的・権威的な匂いのする既成の民俗学に抗して、泥にまみれた庶民の生活そのものの中に、人の生きる明るさ、たくましさをとらえようとする宮本氏の民俗学」(網野善彦氏)だ。

多くの人が圧倒的に基本にすえるすぐれた一書だ。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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