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帰還と新生活 後押し

2015年6月13日

福島復興指針を改定
避難解除、17年春までに
与党提言を反映


政府は12日の閣議で、東京電力福島第1原発事故からの復興指針の改定を決めた。帰還を望む避難者が故郷に帰れるよう、福島県内の避難指示区域のうち放射線量が高い「帰還困難区域」を除く地域の避難指示を、2017年3月までに解除する方針などを盛り込んだ。また、避難区域の事業者(約8000社)を支援する官民一体のチームを立ち上げるといった自立支援策を打ち出した。


閣議に先立ち開かれた原子力災害対策本部会議で、安倍晋三首相は「避難指示解除が実現できるよう環境整備を加速し、地域の将来像を速やかに具体化する」と述べた。


指針改定は、事業者の再建支援を重視する姿勢を強調し、避難先での新生活と住民帰還の両面を後押しするのが特徴。自民、公明の与党両党の東日本大震災復興加速化本部が5月に提出した第5次提言を大きく反映させた。


避難指示解除の対象は、放射線量が比較的低い「居住制限区域」と「避難指示解除準備区域」。東電が1人当たり月10万円支払っている精神的賠償について、早期に避難指示を解除しても17年3月に解除した場合と同様に支払うとし、解除時期によって金額に差がつかないようにする。


働く場の確保など住民帰還の環境を整えるため、15、16年度の2年間に事業者への自立支援策を集中的に展開。「原子力災害により生じている損害の解消を図る」と明記した。創設する官民一体のチームは避難区域内の第1次産業を含む事業者を個別に訪問し、事業再建計画の策定支援などを行う。


事故に伴う避難や風評による損害を受けた事業者に対する東電の営業損害賠償については、この2年間は「適切な対応や支援展開に対する協力を行うよう指導する」とした。東電は2年間分を一括で支払い、その後は個別事情を踏まえた賠償に切り替える方針だ。


『太田国交相 常磐道にIC設置』


太田昭宏国土交通相(公明党)は12日の閣議後記者会見で、常磐自動車道の福島大熊、双葉両町へのインターチェンジ(IC)の追加設置を許可したと発表した。開設時期は大熊町は2018年度、双葉町は19年度を見込んでいる。


同県や地元自治体の要望を受けたもので、浪江IC(同県浪江町)―常磐富岡IC(同県富岡町)の14キロの間に4〜5キロ間隔で設置。東京電力福島第1原発事故の帰還困難区域に位置し、除染で出た汚染土などを保管する中間貯蔵施設にも近いため、同省は新ICが汚染土搬入にも役立つとみている。


太田国交相は記者会見で、「このICを活用して復興が加速することを期待している」と強調。公明党福島県議団(甚野源次郎団長)は今年4月、太田国交相と会い、双葉、大熊両町内での常磐道IC新設などを要望していた。

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