090717-1-book.JPGまず、南北朝時代を描いた、しかも村人の生活から時代の空気を描いたのは面白いし、あまり例がないのではなかろうか。しかも史実の裏付けがある。人物の配置と個性も鮮やか。黒澤明の「七人の侍」とはむしろ違っていて、これは悪党の襲来に備え、8人の侍を雇った村、弩を手にした因幡の百姓の物語だが、むしろその背景を描いている。

   柿渋を特産とし、塩との交易によって豊かな村をつくるということも背景にあるし、南北朝時代、楠木正成の活躍と死も物語の背景にある。


 太田あきひろです。

  昨夜は都心も大変な雪でしたが、今日は青空が広がっています。

 「昨年の名目GDP(ドル換算)で日本が中国に抜かれた(世界三位に)」「昨年10 - 12月期の実質GDPが0.3%減、年率換算で1.1%減で5四半期ぶりのマイナス成長」――昨日の内閣府発表です。懸念される要素は多々ありますが、大事なことは、景気・経済を回復させること、しっかりした成長戦略をブレることなく遂行する断固たる姿勢です。

   しかし、短期の金融・財政政策がいつも遅いこと、そしてしっかりした景気・経済運営へのリーダーシップが欠如していることが政府の問題です。この不況・デフレ下で増税路線の先行は禁物。景気・経済回復を先頭に立てて、経済構造改革を常に進め、成果を見てただちに財政再建に入るという戦略が重要です。激動する経済を見る動体視力が不可欠です。

  今年は長いデフレを克服し、経済正常化への確たる道を歩むべき重要な年です。世界と日本の経済を大きく見れば、デフレ要因の「信用収縮」「株や地価下落の逆資産効果」「商品価格高騰の交易条件悪化」「円高による輸出減」を改善するチャンスです。そのベクトルを生かす日本の景気・経済運営がきわめて重要です。しかし、景気・経済の回復への強い意志どころか、逆ネジを回すとしか思えない今の政治、しかも大迷走の政治を正さなくてはなりません。

  しっかり頑張ります。

 


20110215-book.JPG  新聞もテレビも出版も危機に瀕しているという。不況、IT、IPAD、キンドルなど社会の構造変化がその原因だといわれるが、内田さんは、そうではない、コミュニケーションの本質について理解しているかどうかだと深くえぐる。

  「国際情勢には通信社のニュースを機械的に配信するだけ」「内政については"善悪二元論"で"犯人探し""ワルモノ叩き"を繰り返す」という定型に安住 し、マニュアル化されたメディアには知見がない。オリジナリティーがない。だから「情報を評価するときに最優先の基準はその情報を得ることによって、世界 の成り立ちについて理解が深まるかどうか」という知的欲求に対応できない。そこに危機がある。「メディアが"何も知らされてない市民"の代表のような、" グッドガイ市民"の立場で報道しているのはおかしい」「クレイマー化するメディア」と手厳しい。

  「知性の劣化」「世論(責任なきみんなという言説)と知見」「教育と"買い物上手になる学生"」「著作権」 「電子書籍」「本棚の持つ欲望」「出版文化がまず照準とすべき相手は"消費者"ではなく"読書人"」「贈与と返礼、コミュニケーション」「ありがとうとい う言葉」を論じてくれているが、いつもながら内田さんは本質をえぐり出している。


20110210-book.JPG 「女性天皇論」を著した中野正志さんは「パンドラの箱をあけることになる」といったが、これは「天皇とは、天皇制とは、日本の文化とは、日本の伝統と は、神道とは」という根源的な問いを発することになる。また「女性天皇というみちを残しつつ、臣籍降下した旧皇族の復帰で、男系による万世一系をはかるべ きではないか」と主張する人もいる。

 小林よしのりさんは、皇統の危機に直面しているとし、「偉大なる女帝の歴史」「女帝・女系継承は京城京で花開いた」「男系固執は明治以降の男尊女卑感情」等を示しつつ「皇位は直系継承が望ましい」と魂こめて述べている。ゴーマニズム宣言。


20110208-book.JPG 2011年「このミステリーがすごい!」大賞受賞作。いわゆるサスペンス、ミステリーというのとは違う。ミステリアスな小説だ。

 少年漫画家の 和淳美が、自殺未遂で意識不明の弟・浩市と最先端の科学装置「SCインターフェース」を使ってセンシリング、意思疎通を続ける。その周りを漫画のアシスタ ント、彼女を世に送り出してくれた編集者、女性医師、技師、そして突如現われる中年女性がかこみ、リアルに描かれる。時には、突然、浩市が現れたりして幻 影の世界が描かれる。そして最後のドンデン返し。
 繰り返し繰り返し見る夢が私にもあるが、夢のなかでこれは夢だと思いつつまたそれも夢の中とい うことがある。夢、幻か、トラウマか。何が幻で何が夢で、現実に対する夢と夢見る身体そのもの、生きているということと死ぬということの彷徨と境界、そし てその往復、そのはっきりした切断に拳銃をこめかみに当てるという自殺が位置づけられている。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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