太田あきひろです。
寒い日が続いています。

日銀は14日、追加の金融緩和策を発表。「中長期的な物価安定の目途」を「消費者物価の前年比上昇率を当面1%」とすること。また「資産買入等の基金」を55兆円から65兆円に増額して、その10兆円は全て長期国債を購入することを決めました。日銀が重い腰をあげ、脱デフレの姿勢を明確にしたことはいいことで、市場も好意的に反応しています。

私は、「円高、デフレ、電力不足」への対策が急務であり、"増税一直線"ではなく、まず景気・経済対策だと主張し続けてきました。財政再建はもちろん大事。しかし「増税先行によって財政再建を成しとげた国はない」ことも事実です。

じつは2月3日、公明党は総合経済対策に関する緊急提言を発表。その柱は、「金融政策」と「防災・減災ニューディール」です。それは「日銀による資金供給を万全に」「そのカネが回るように、復興需要だけでなく、全国の防災・減災対策、災害に強いまちづくり、老朽化する社会インフラの更新などを進める」ということです。私はその推進役になりました。毎日、現場を回り、「景気・経済、デフレ、円高対策を」という悲鳴を聞いてきたからです。「デフレと闘わない、増税ばかりいう政府などいらない」という中小企業経営者の声は私の耳に今も残っています。

党として官邸にもすぐ申し入れをしました。金融政策では「物価安定に対する長期的な目標の設定」「資産買入等の基金枠を55兆円から80兆円に大幅拡充」などを提言しましたが、日銀はこうした公明党をはじめとする各方面からの声を受けて今回の決定に至ったといえると思います。

これからは日銀はこうした姿勢を貫いて強いメッセージを発すること、そして今まで成長を犠牲にして分配・バラまきの政治をしてきた政府が、私たちの主張する「防災・減災ニューディール」「安全・安心な社会基盤の再構築」「中小企業支援の強化」など、具体策に踏み込むことです。

しっかり頑張ります。


科学と宗教と死.jpg昭和の戦争、「死刑」と「無期」の心理研究、死生観を変えた正田昭との出会いと本心。遠藤周作氏からの批判、突然の妻の死、阪神大震災の救援活動、東日本大震災と原発・・・・・・。医師として、作家として、信仰者として、科学と宗教と死を思索し続けた加賀乙彦氏がじつに静かに率直に語る。

「科学を追及するほど謙虚な気持ちが生まれる」
「科学は発展する。ならば宗教も発展していかねばならい・・・・・。新しい道徳のようなもの、哲学のようなもの」
「科学とは別の、科学を支える叡智があると思う」
「科学を突き詰めていくと無限に突き当たり、そこに神秘が顕れる。有限を支える無限。科学を支える叡智」
「祈りとは、無限なるもの、人知の及ばぬ、はかり知れない、不思議なもの、(無限の暗黒)との接触の場を作っていくものなのでしょう」
「今の世の中では、死と離れ、物の豊富さを幸福と思うような傾向(長生きと物質的幸福)があらわになってきた」
「民衆の底辺へ、身一つで入っていって、その人たちのために働く」

仏法の哲学と実践、宇宙と人生、師弟を考える。


DSC_0501%20ume1.jpgのサムネイル画像太田あきひろです。

今日(11日)、北の各地では豪雪で大変な状況にありますが、東京では日差しが強く、春の兆しが感じられるようになりました。地域ではもちつき大会や新年会など多彩な行事が行われました。

先週、北区の赤羽台団地で観梅会が催されましたが、まだつぼみの段階であった梅も今日は咲き始めていました。


日本経済 市場が問う成長戦略.jpgリーマン・ショックやギリシャ・ショックはもとよりのこと、21世紀に入ってからの世界経済、日本市場を巡る資金フロー、欧米先進諸国の「日本化」の実際(狭義と広義)、通貨切り下げ競争(近隣窮乏化政策)、投資資金の消去法的な「避難港」としての日本――そうしたことを日本に対する市場評価とその"揺らぎ"などをズバッと、しかも動体視力をもって山川さんは浮き彫りにしてくれる。

「低テイルリスク」と認識されていた日本が、デフレ、財政悪化、人口動態、環境、そして震災後は原発・エネルギーなどの構造的問題の抜本的対策を怠り、ただ対応だけ、大衆迎合の政治しか行ってこなかった(今の民主党政権はよりひどい)ことを指摘する。市場には日本に対する焦燥感がある。しかしそれは万策尽きたのではなく、処方箋が残されているにもかかわらず動かないことに対してである。

そして、名目3%成長をめざして
(1)「輸出主導型」経済の確立(円安、TPP、法人税下げ)
(2)世代間再配分による究極の脱デフレ策(無秩序な社会保障費の増大抑制、消費税、金融資産の若中年層への移転のための住宅や贈与税の時限凍結)
(3)「ポンジ・スキーム」からの脱却(脱デフレにつながる税制、年金改革の断行とそれにつながる成長戦略)
(4)「反(大)企業・反富裕層・反市場」からの転換(感情論脱却と電力の確保と規制緩和)
(5)人口動態の呪縛の克服(移民受け入れ基準の緩和やM字カーブの修正)
――などを提起する。

学ぶところきわめて大。熱のこもった書。


「美質」の時代.jpg「いま新しい日本が始まる」――
あの昭和の戦争、そして今回の東日本大震災。物は徹底的に破壊された。だが基底となる美しい日本、美しい日本人、美意識は破壊されなかった。

今、未曽有の大震災、そして激しき経済・グローバリゼーションの中で、海外で1年の半分は過ごしているという日本香堂会長の小仲さんは、再び「日本人の美質」から未来を創造せよという。それは、かけがえのない日本の伝統と文化によってである。これまでの価値観の延長線上で考えるのではなく、価値観の次元を変えよ。価値観をリセットせよ。いわゆるモノを大量増産し、成長を図る時代は終わった。追い求めるのは安さではない。質だ。良好な品質の商品をより安くだ。質の時代、美質の時代、美質国家だ――現実の世界の場のなかでそう指摘する。それをどう形として商品化し、企業として人材を糾合し、結束して、価値創造に向かうか。

ベッツィ・サンダースと小仲会長との対話が加わる。
「私は生涯を通してサーバント・リーダーシップを学習中の身」
「人間性重視のボジティブ心理学」・・・・・。

「美質を評価したドラッカー氏」では、「特に仙厓や白隠などの水墨画がお気に入りだったようだ。彼は日本画を見るとき、"その清明な世界像の中に自分自身の心の奥底を見る"といっている。日本画は対象を描いていない。空間そのものを描いている。彼にとって日本は知覚の国、美質の国だった」などと語っている。

経営者必読の書。それは日本の経営者たるべき政治家も政党も。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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