

「ただただ感激」「おかえり三鉄」「線路はつながった。さあ復興につなげよう」――。東日本大震災によって壊滅的な打撃を受けた三陸鉄道がついに全線開通となり、6日、宮古市において運行再開の記念式典が行われました。式典等で私は「三陸鉄道は復興のシンボル。小旗が振られ、鉄道復興は他の交通よりはるかに喜びが大きいことを感ずる。被災地を勇気づけ、復興の加速に向けて大きな力になる」と述べました。
式典後、あのドラマ「あまちゃん」でおなじみのお座敷のような列車(クウェートが東日本大震災からの復興に約400億円の支援金を贈呈し、その一部が三陸鉄道支援に充当。この日もクウェート大使が出席)に試乗。沿線は小旗を手にもつ地元の方であふれ、大漁旗まで振られて喜びが爆発。この日に至るまでの3年。津波被害は300か所以上に及びましたが、少しずつ少しずつ、区間を広げながら復旧させ、ついにこの日に全線開通となったものです。多くの関係者の執念と真心の結実です。
5日夜に宮古市に入り、望月三陸鉄道社長や沿線の市町村長さんをはじめ、関係の方々とじっくり懇談し、要請も受けました。さらに復興加速に頑張ります。


低賃金、長時間労働で"正社員"を使い倒すブラック企業、暴力・暴言で労働者を苦しめるモンスタークレーマー、モンスター消費者。「ブラック企業VSモンスター消費者」というより、両者は密接に関係している。
本書を読んでドクターXの米倉涼子の「いたしません」を思い浮かべた。
サービス業が拡大し、「おもてなし」「サービス」が求められる――それが、働く人の職務・範囲がはっきりしていない日本の社会(文化)のなかで雇用されると歪みが生ずる。「もてなされる」のが当然になると「モンスター消費者」の一因となり、それがまたブラック企業の「君にはいつもクレームが来る」として解雇の因にもなる。消費者は「サービス」はタダだと意識が強い一方で、企業側は「付加価値」「サービス」と称して、残業代を払うどころか、際限のない労働を消費者に提供するよう従業員に強いる。勿論、過当競争も背景にあるが、そうした「おもてなし」「サービス」の過剰要求と、日本社会の「休まない文化(欧州ではコンビニも休みをとる文化)」、さらには「命令に従順な日本人」が一体となって、働く若者を追いこんでいく。サービス業従事者の職務・範囲が定義されない雇用システムが悪循環をもたらすという。
日本人論や文化論に拡散させないで、問題は労働問題だという。体が壊れない労働時間で、休める時間を増やして、暮らせるだけの賃金を得られるベースで産業を設計しなおそう。長すぎる労働時間と、無限に広がる職務という日本の特殊性を直視し、「過労防止基本法」「最低休息期間制度」「労働契約を具体的な職務に基づくものとし、職業訓練制度、職業資格制度の充実・強化」――これらからまず始めようと、提起している。
昨年、都内で行われたセミナーでの「どうなる日本経済!アベノミクス効果の功罪」の討論。
「一の矢と二の矢を逆にすれば理解しやすいアベノミクス」「誰も否定できないアベノミクス効果」「諸悪の根源はデフレ」「"失われた20年"ではなく、"まだらな20年"だった――91年から戸惑いの6年、97年から危機の5年、回復の6年、2008年からの最も失われた5年に分ける」「成長はまだ必要か」「借金も多いが資産も多い日本政府」「まだ前半分だけの第二の矢(財政再建が後半)」「第三の矢のキーワードは規制緩和と競争(民間に徹底的に競争させよう)」――。
そして、「これからの道は、新しい豊かさを求めることだ。"自分が生きたいように生きられる社会"をめざそう。そのためにもこの際、長期の国のヴィジョンを作ろう」と述べている。日本経済の正念場を迎えている。