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アジア諸国との海洋安全連携――。19日、海上保安庁の海上保安政策過程で学んでいる、東アジア諸国の3期学生の表敬を受けました。これはアジア諸国の海上保安政策に関する世界初の修士レベルの教育を行うためにスタートした教育課程で、海洋の安全確保に向けた各国の連携、認識共有を図るため、私が国交大臣時代に新設したもの。今回は、日本を含む、マレーシア、フィリピン、スリランカなどから訓練生が参加しています。

私は、緊張が高まる朝鮮半島の海域、台風などの自然災害、また貴重な海洋資源の確保など、海の安全を死守するために、各国が連携することが重要であること。また、それぞれの国が人材育成に取り組むことが不可欠であることを述べました。知識を学ぶだけでなく、現場の知恵を体全体で身につけてほしい、とあいさつをしました。「休みの日は何をしているの?」と聞くと「スカイツリーや浅草に行った」「富士山は修了後に行くことになっているので楽しみにしている」と笑顔が返ってきました。

今日お会いした訓練生が、今後それぞれの国の海の安全のリーダーになっていくことを期待しています。


教養としての社会保障.jpg人口減少・少子高齢社会、人生100年時代に本格的に進む今、日本の社会保障制度は大きな曲がり角に差し掛かっている。社会保障は「民生の安定」と「経済の成長」の両面を担う。安心社会の基盤となり、社会経済の変化に柔軟に対応し、社会の発展・経済の成長に寄与できる社会保障制度をどう構築するか。

内閣と厚労省で直接、この問題と格闘してきた香取さんが、きわめて丁寧に、幅広く、そして歴史・理念・哲学をも踏まえて「人口減少社会を乗り切る持続可能な安心社会」のための社会保障制度の方向性を示す。「一億総活躍」「働き方改革」「全世代型社会保障」など、安倍内閣・自公政権の行っていることの意味が、より鮮明に浮かび上がってくる。

「系譜、理念、制度の体系――ギルドの互助制度を基本としたビスマルク」「基本哲学――共助やセーフティーネットが社会を発展させた」「日本の社会保障――『皆保険』という奇跡」「変調する社会・経済――人口減少・少子化・高齢化で『安心』が揺らぐ」「産業としての社会保障――GDP5分の1の巨大市場」「国家財政の危機――次世代ツケまわしの限界」「目指すべき国家像――社会を覆う"不安"の払拭」「新たな発展モデル――知識産業社会と労働、安心と成長の両立」「改革の方向性――安心社会への改革」・・・・・・。現在の最大の課題、経済、財政、社会保障の位置と役割がよくわかる。


とんやの郷171217.jpg17日、降りしきる雪の中、福島県川俣町を訪問し、「とんやの郷」を視察しました。これには、真山祐一前衆院議員、甚野源次郎前福島県会議員、 菅野意美子町会議員らが参加しました。

福島第一原発事故に伴う避難指示が今年3月に解除された福島県川俣町山木屋地区。そこに7月1日にオープンした「とんやの郷」は、避難から帰還した住民の生活支援を行い、にぎわいを生み出す復興拠点として整備された商業施設です。私は施設内の店舗を視察後、多くの地元の方々と懇談し、要望を受けました。

復興の拠点となるこの場所に多くの人々が集い、復興の力となっていることを実感しました。

福島水力発電 171217.jpgまた、福島市内で行われた「第2回福島水力発電推進会議」(共同代表:望木昌彦、佐藤勝三、甚野源次郎)に出席し、挨拶。「水力発電が日本を救う」の著者、竹村公太郎氏が参加し、水力発電推進の議論がなされました。再生エネルギーの導入拡大が急務であり、その中で水力発電は大きな可能性を秘めています。さらに力を入れていきます。


騙し絵の牙.jpg激変する社会のなかで変化を迫られる出版業界。しかし、編集作業、編集する頭脳は人間のなかでも根源的ともいえる最重要のものだ――。「自分は何のために編集者になったのか」「昨今の出版業界の移り変わりを前に『このまま何もせずにいていいのだろうか』『現在この業界に本当に必要な存在とは何か』との問い」「思考を続ける人間には、真贋を見極める目が備わっている。本物を、上質を選ぶ慧眼を身につけることが、情報の波にさらわれない唯一の対抗策だ。思考の源は言語だ。言葉を探し、文化を育み続けることこそ、出版人の使命だ」――。

読者の活字離れ、激震の出版業界のなかで生き抜くことを迫られる雑誌の編集長・速水輝也。軽妙な会話、人を惹きつける力、心を通わせての信頼の獲得、好感度抜群、やり手の速水は、懸命に雑誌を守ろうと奔走する。しかし、社内の軋轢も加わって社を去ってゆくことになる。

しかし、やられっ放しと思いきや大逆転が待っていた。はたして速水の本性はどこにあり、その牙ともいえる執念は何によって築かれてきたのか。情報社会の急進展、変化を余儀なくされ、もがく出版業界のなかで、出版や編集の意味や人間の文化を問いかける。そのなか人間の泥臭さを交えて描く傑作。大泉洋を写真で使い、小説に映像を組み込んだ新しい試みまである。


おもかげ.jpg商社のエリート社員・竹脇正一。定年となったその日に、地下鉄で倒れ意識を失う。65歳。彼をこの世に生み出した母親と思しき人、彼を支えた家族・友人が次々に「おもかげ」として出てくる。彼は親を知らない、孤児となったいきさつも知らない。残酷な真実を胸の奥に蔵(しま)い続けて生きてきた。真っ白な戸籍。被い隠した劣等感の源でもあった。周りも同じような境遇の人が集う。親子の絆が切られていた妻・節子。両親が交通事故死して同じ養護施設で育った幼なじみの永山徹(親方)、両親の愛を全身に受けて育った娘・竹脇茜、その結婚相手で保護観察付きで親方に拾われた大野武志、そして集中治療室の隣のベッドの榊原勝男(戦災孤児)とそのマドンナ的存在であった峰子・・・・・・。

「無言の人生が詰まっている」静寂の集中治療室の中での回想は、「親を知らない」「子を棄てる」という究極の闇の深さを突きつける。「孤児にとって最大のハンディキャップは、愛の欠落ではない。むしろ、自分の人生の芯や核になりうるもの、あらゆる行為や道徳の基準となるものの欠如が問題だった」・・・・・・。それらをきわめて透明感をもった人間愛の世界に誘い描き切る。重苦しさがないのは「皆、貧しかったから」、そして右肩上がりの昭和の時代を生きたから、そして「あんたの人生、できすぎだぜ」との思いからだろう。深い感動作。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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