君が異端だった頃.jpg凄い、けれん味がなく真っすぐ、ぶっ飛ぶ、破天荒な喜怒哀楽、エネルギッシュで面白い。島田雅彦の自伝的青春私小説。「埴谷さんは暗黙裡に自らの異端性を弟子が受け継ぐよう促した、と君は受け止めた。彼は戦後派のみならず文学一般に受け継がれてきた価値観を守れとはいわなかった。文学なんか解体しても一向に構わないから、果敢に新しい心の露呈に対面せよと迫ったのである。つまり、伝統を保守する正統なんか目指さず異端のままでいよ、と」「君は滴り落ちる汗を拭いながら、遠くに見える遺影(中上健次)に向かって、『路地の荒くれ男たちの短命にして波瀾万丈の物語をなぞらず、自己申告ではない、正真正銘の文豪になる手もあったじゃないですか』と虚しく呼びかけた」「島田を守れ。オレが死んだら、誰もあいつを守ってやれない――。君はその時初めて、弟分に惜しみなく注がれた中上の慈しみを痛感した」「君が出会ったのは全て偉大な異端者たちばかりだ。君は幸か不幸かその系譜に連なるよう仕向けられた。君は疲れを知らずにナンパにかまける体力はあったが、まだ偉大な先輩たちの屈折や情熱、思想を表面的にしか理解できないバカだった・・・・・・」「すでに時効を迎えた若かった頃の愚行、恥辱、過去の数々を文書化しておくことにした。それにうってつけの形式は私小説をおいてほかない。正直者がバカを見るこの国で本当のことをいえば、異端扱いされるだろうが、それを恐れる者は小説家とはいえない」・・・・・・。

少年時代、高校時代、大学時代、そしてその後の煩悶や葛藤、文士・思想家との格闘の遍歴。戦争を経て戦後を背景にして躍り出た世代、次に団塊の世代、そして島田雅彦氏らの世代の感性は当然異なる。しかし在前する世界を突破し、脱出しようとする力は世代を超え魅力的だ。"異端"と称される天才たちの生命力・エネルギーに心持良さを感ずる。それはかなり本質的なものだ。


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4日、5日の土日、新春のスタートの会が、数多く行われました。

板橋区の賀詞交歓会、町会・自治会の新年会、空手道一友会の全国大会、板橋市場・足立市場の新年賀詞交歓会、町会のもちつき大会‥‥‥。晴天が続く中でのいいスタートとなっており、多くの方々と懇談しました。

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51YO46gqqFL__SX304_BO1,204,203,200_.jpg「DNA全解析とクリスパーの衝撃」が副題。ゲノムとは「DNAに記された全遺伝情報」を意味し、遺伝子はその重要な一部を成す。今、DTCと呼ばれる一般消費者向け遺伝子検査(DNA検査)が急速に普及しているというが、それは、「がん等をどう発見し、どう治療するか」「自分とは一体何なのか(ルーツ探し)(自分の外見や才能、性質や病気)」などに多くのユーザーが惹き付けられているからだ。そして、遺伝子操作の基礎研究や技術基盤はかなり確立され、実社会に応用されるのを待つばかりとなっている。ゲノム編集「クリスパー」と呼ばれる超先端バイオ技術だ。遺伝子検査サービスDTC、がんゲノム医療、知らぬ間に食卓に上るゲノム編集食品、生殖医療、刑事事件の科学捜査、生態系を改変する遺伝子ドライブ・・・・・・。各分野にゲノム編集技術が浸透しているが、光もあれば影もある。その実態と課題を解説する。

とくに医療と農業、生態系との関連だ。1970年代に始まった「遺伝子組み替え」の時代と違っているのは、特定の遺伝子を狙って操作できるクリスパーの時代となっていることだ。奇跡の世界に突入するとともに、根本的な懸念が出されるのはそのためだ。また米国、欧州、日本、中国などの対処方針の違いが浮き彫りにされる。「ゲノムから私たちの何が分かるのか?――遺伝子検査ビジネスの現状と課題」「ゲノム編集とは何か?――生物の遺伝情報を自在に書き換える技術の登場」「見えないゲノム編集食品」「科学捜査と遺伝子ドライブ、そして不老長寿――ゲノム技術は私たちの社会と生態系をどう変えるか」の各章がある。

ゲノム革命がひたひたと浸透している。進行途上であるだけに課題は重い。


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暖かな日となった2日、党新春街頭演説会を新宿で、また地元でも北総支部街頭演説会を赤羽と王子で行いました。多くの方が戸外に出ているのが印象的でした。

私は「東京オリンピック・パラリンピックの成功は大事だが、今年は2020年代のスタートという重要な年だ」「東京オリ・パラ後、日本の経済は大丈夫か、仕事はあるのか、とよく聞かれるが、まさに東京オリ・パラ後の経済・社会に大きくダッシュするのが今年である」

「2020年代は、人口減少・少子高齢社会、AI・ロボットの急進展、頻発・激甚化する大災害などの構造変化がヤマ場にさしかかる。2025年には団塊の世代が75歳以上になり、空き家が1000万戸、認知症が700万人。大変な日本になる」「この急な坂道を登るため『勢いのある日本』をつくることができるかどうか、これこそ最重要の仕事である」「安全・安心の勢いのある国づくり――安全では防災・減災、安心では全世代型社会保障。そのためにも経済・社会で勢いのある日本をつくることだ」などと述べました。

「安全・安心の勢いのある国づくり」「未来に責任」――「太陽の党・公明党」「庶民の党・公明党」「仕事をする行動の党・公明党」として全力で頑張ります。

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風神雷神 上.jpg風神雷神 下.png16世紀末、九州のキリシタン大名の名代としてローマに派遣され、ローマ教皇に謁見した少年たち、いわゆる天正遣欧使節団。イエズス会の巡察師、アレッサンドロ・ヴァリニャーノに導かれ、はるばる海を渡った4人のキリシタンの少年たち。伊東マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリマン、そして原マルティノの他にもう一人、俵屋宗達がいたというアート・フィクション。スケール、テンポ、冒険心、ダイナミック。抜群に面白い。

「風神雷神図屏風」で名高い琳派の祖・俵屋宗達は卓越した技術と新しい視野をもち独特の様式を確立したが、いまだ生没年すら確定せず、謎多き存在だ。それが、狩野永徳とともに宗達が仕上げた「洛中洛外図屏風」を、キリシタンの王たる教皇に届けるためにローマに行ってこい、そしてローマの"洛中洛外図"を描いて見せてくれ――これが織田信長の直々の命であった。天正十年の本能寺の変の直前だ。宗達たちはついにローマにたどり着く。そこで、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロの絵画に驚愕、衝撃を受け感動し涙する。バロックの巨匠となる少年・カラヴァッジョとも出会う。出会いの奇跡、東と西、芸術家たちの魂が時空を超えて邂逅する。「風神と雷神」「アイオロスとエピテル」の異形のダイナミックさが物語となって躍動する。

プロフィール

太田あきひろ

太田あきひろ(昭宏)
昭和20年10月6日、愛知県生まれ。京都大学大学院修士課程修了、元国会担当政治記者、京大時代は相撲部主将。

93年に衆議院議員当選以来、衆議院予算委・商工委・建設委・議院運営委の各理事、教育改革国民会議オブザーバー等を歴任。前公明党代表、前党全国議員団会議議長、元国土交通大臣、元水循環政策担当大臣。

現在、党常任顧問。

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