「世界は経営でできている」「人生は経営でできている」――企業だけでなく、全てが経営による。経営とは「価値創造する」「価値創造へのマネージメント」だ。人類史における本来の経営は「価値創造という究極の目的に向かい、中間目標と手段の本質・意義・有効性を問い直し、究極の目的の実現を妨げる対立を解消しながら豊かな共同体を作り上げる知恵と実践」だ。
しかし、世界から経営が失われている。「人生の様々な場面において、経営の欠如は、目的と手段の転倒、手段の過大化、手段による目的の阻害・・・・・・など数多くの陥穽をもたらす」と言う。それは「あらゆるものが創造できる」という視点を持たないと、手段に振り回されるからだ。「人生における金銭、時間、歓心、名声などの悲喜劇は『何かの奪い合い』から生まれる。そして奪い合いは、限りある価値に対して発生する」「価値を有限だと錯覚すれば、顧客に粗悪品を掴ませ、従業員を搾取し、他者を蹴落とすことになる。価値有限思考を、経営によって価値は創造できると考える価値無限思考への転換が重要となる」「価値が無限に創造できるものならば、他者は奪い合いの相手ではなく、価値の創りあいの仲間になれるのだ」と言う。
本書は、「日常」「貧乏」「家庭」「恋愛」「勉強」「虚栄」「仕事」「健康」「老後」「歴史」「人生」など17項目を上げ、いずれも「経営でできている」ことを示す。一見経営と無関係なことに経営を見いだすことで、世界の見方ががらりと変わる。今、日本に足りない「経営」「価値創造」の世界を開示する。国家の運営も、「経営」の知恵と実践が重要となるということだ。