夫と離婚しスーパーのパートで働く女性・榊冴子、52歳。ノッポで、猫背で人付き合いが苦手。実家とは折り合いが悪く、いつも弱気で「スミマセン」が口癖。オバさんになったら、もっと図々しく、怖いもの知らずになれると思っていたが、全然。仕事でもいまだに誰かに怒鳴られたり馬鹿にされたり5円玉を投げ付けられたり、スミマセンを連発しながら生きている。ある日、レジで迷惑客を撃退するど派手なジャージを着た72歳の毒舌女性に遭遇する。この女性の正体は? なんと山田グロリアという名の凄腕の殺し屋だった。これが誠に痛快。ストレスを抱え続ける女性たちの鬱屈を吹き飛ばす。
「私、今からでも強くなれますか?」――冴子は老人ホームで働いているグロリアに弟子入りする。そこには、チーム殺し屋があった。そんな時、高校時代の同級生、ただ一人仲の良かった朝美に出会い、夫の直樹から精神的虐待、DVを受けているとの相談を受ける。スパルタ訓練を受け見違えるようになった冴子は、親友を救うために立ち上がる。また実家では、母が認知症になるや、父と兄がおとなしい冴子にその介護を押し付けようとする。
「カスハラ」「モラハラ」「介護は娘に」・・・・・・。「殺し屋」に鍛えられた冴子は、啖呵を切る。「舐めてんじゃねえ」・・・・・・。その鮮やかな豹変ぶりが実に痛快。
これまでひたすら「〇〇なんだから我慢しなさい。女の子なんだから、男の子なんだから、子供なんだから、若いんだから、大人なんだから、いい歳なんだから」・・・・・・。いつもみんな我慢、我慢の我慢大会。確かにそうだ。ちゃんと怒ることの大事さ。「今まで長いこと、50年以上、怒らなきゃいけないタイミングは山ほどあったはずなのに」・・・・・・。「しょうがない」の呪縛から立ち上がれ! 面白すぎるアクションスリラー。
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